キンドリルジャパンは11月30日、事業戦略記者説明会を行った。
説明会には同代表取締役 社長 上坂貴志氏が登壇。はじめに昨年9月の事業開始から1年を迎えることができたと謝辞を述べた。上坂氏は同社が目指す姿として掲げる「『社会成長の生命線』をこの1年間、軸にして進めることができた」と総括。業績面でも、2022年4月~2023年3月期では2%の成長だという。特に「クラウドに多くのご要望があると実感している」とした。
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また、今年の特徴としては、6つの技術領域のうち「デジタルワークプレース」が最も伸長したことを紹介。加えて、運用のサービス提供から、共創型の「アドバイザリーと実装サービス(通称、A&IS)」が2桁成長で進んでいるとした。
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続けて、日本企業におけるITインフラの取り組み状況について説明。基幹システム刷新で約半数の企業がアーキテクチャーを変更せずインフラのみの更改を選択しているという。上坂氏は「顧客の中長期契約に基づいて現状の安心安全を支えるとともに、刷新に向かっていかなければいけない」と来年に向けて意気込みを語った。
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実際のシステム運用の現場の状況として、顧客の実データから、1万件のバッチジョブを10名のオペレーターで毎晩監視するなど「改善の余地がある」という。そこで同社は、システムがより複雑化しても、コストを効率化し安心・安全な運用を支える新たなソリューション「Kyndryl bridge」を紹介。上坂氏は同ソリューションについて「日本企業が一番大事にしている『品質』に最も役に立ってくる。人的ミスの防止やハードウェア障害の予防検知につながる。アジリティをあげることに取り組んでいきたい」と述べた。
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最後に今後の事業展開として、「技術領域を軸にモダナイズしていくこと。お客様が自由度を上げたうえでCXにまい進できるよう、アライアンスを組んでしっかり支えること。加えて、システムインフラからのコンサルテーションと実証実験ができる環境の提供、そして、それらを技術的な根拠に基づいて実際に提供していく」と話した。
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