日本オラクルは、敷島製パンが、企画、開発、製造、販売、物流をはじめとする同社の基幹業務を支える「スマート・パスコ・システム(以下、SPS)」の新しい基盤に「Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)」を採用したと発表した。
敷島製パンは、創業100周年を機に、市場競争力を向上すべく、現システムを創造的に破壊、業務やシステムを刷新し、ゼロベースで業務の最適化、簡素化を図ることを目的に、2016年にSPSを構築。SPSは、全社をつなぐシステムとして情報やデータの活用を支援し、業務効率化と意識改革を推進する役割を担っているという。SPSは現在、本番とDR環境を、オンプレミスの「Oracle Exadata」2台と約480台の仮想サーバーで構成されている。
今回のシステム基盤更改に際し、ビジネス成長に相応しい柔軟性と拡張性、可用性、将来的なマルチクラウド利用を見据え、パブリッククラウドへの移行を検討。複数のクラウドサービスを検討した結果、既存環境からの移行性、DR構成やマルチクラウド環境でのデータ転送や接続を含むコストパフォーマンス、セキュリティおよび安定性を評価し、OCIを選定したという。データセンターやハードウェアの保守運用コスト、ライセンス費用を削減し、最適なクラウド構成とすることで、コスト削減を図る。
また同社は、システムの性能を維持しながら、既存環境からの移行リスクやコストを低減させるため、データベース基盤の移行に「Oracle Exadata Database Service」を採用。OCIの東京、大阪リージョンを活用したDR構成を構築予定で、2025年5月に新環境への移行完了を予定している。
クラウド移行の技術検証(PoC)、OCI上での新環境構築、移行はフューチャーインスペースが支援しているという。新環境の構築は、セキュリティや可用性向上を目的に、「Oracle Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」をはじめとするOCI上で利用可能なサービスやツールの活用も検討しながら進めていくとした。
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