IBMは11日、東京コンファレンスセンター・品川で「BPM Solution Forum」を開催した。会場には、BPMに関心を持つ多くの人々が来場し、賑わいを見せた。
ビジネストラックではセッションに先立ち、日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業 ビジネス・ソリューション&マーケットデベロップメント部長の高橋和子氏が登壇。BPMを取り巻く現状について説明した。
「技術の進歩に伴って世の中はめまぐるしく変化を遂げている」と高橋氏は話を切り出した。例えば、インターネットや携帯電話といったテクノロジーは今やビジネスに必要不可欠といってよいだろう。IPv6が導入されれば、1兆を超える機器がインターネットに接続されることになる。RFIDを利用すれば、トレーサビリティを確保したり、畜産物の出荷タイミングを最適化することもできるようになるという。
「一方で、技術の進展は多くの無駄も生んでいる」と高橋氏は言う。例えば、ビジネスプロセスの不要な中断によって全世界で失われる生産性は6500億ドル。その一方で、分散配置されているコンピュータの85%のリソースが遊休している。しかし、ビジネス環境には決して余裕があるわけではない。
「より少ない人員で、より効率的なアウトプットを求められる。われわれの状況を表すならば、『これ以上は働けない、人も増やせない、やり方を変えなくてはならない』という言葉に当てはまるのではないか。こうした状況を打開するためのひとつのヒントになるのがBPMだ。たとえば、『システムの運用コストを50%削減する』『競合他社よりも1年間早く新製品を投入する』『もしくは自社の社員の知力を5倍に高める』といった状況を想像してみてほしい」と高橋氏は問いかける。
「おそらく、会場の皆さんのほとんどは、これらのポイントくらいであれば今すぐにも実現できると考えられるのではないか。ところが、これを実行に移すことは難しい。それは部門間の壁といった問題が含まれているからだ。今回のイベントではそれらを解決するためのヒントを提示していきたい」と述べ、挨拶を締めくくった。当日は、ビジネス部門向けとIT部門向けの2つの会場で、あわせて10を超えるセッションが催された。