アイ・ティ・アール(以下、ITR)は、国内のマネージドEDR(Endpoint Detection and Response)サービス市場規模推移および予測を発表した。
調査概要
- 調査対象:国内32ベンダー
- 調査対象サービス:マネージドEDRサービス、Microsoft 365運用監視サービス、ID管理セキュリティ運用監視サービス、フォレンジックサービス、UEBA(User and Entity Behavior Analytics)運用監視サービス、SIEM運用分析サービス/マネージドXDR(eXtended Detection and Response)サービスの全6分野
- 調査内容:2021~2022年度売上げ実績および2027年度までの売上げ予測
2022年度のマネージドEDRサービス市場の売上金額は156億円、前年度比42.6%増加したという。セキュリティサービスベンダーでは、ライセンス販売と運用監視を行うマネージドサービスをセット販売することが一般化しており、EDRの製品ベンダーも、ライセンス販売だけではなく、自社でSOCを構築して同サービスを提供するケースが増えているとITRは指摘する。大企業では、EDR製品と同サービスの導入に一巡感が出ていることから、各ベンダーともに中堅・中小企業向けに廉価版を展開する動きが加速しているという。
このような動きから顧客の裾野は拡大傾向にあり、2023年度は同25.1%増を見込んでいるとのことだ。またITRでは、2022~2027年度における同市場のCAGR(年平均成長率)は13.4%、2027年度には292億円に達すると予測している。
ITR コンサルティング・フェロー 藤俊満氏のコメント
EDRは次世代型のマルウェア対策として、大企業を中心に従来型のマルウェア対策(EPP)からの置き換えが進んでいます。EDRは従来型のEPPとは異なり、怪しい振る舞いの検知によってアラートを発報するため、アラートに対して対応すべきかの判断などでスキルのある要員による運用監視が必要となります。このため、EDR導入時に運用監視を行うマネージドサービスがセットで販売されることが多く、マネージドEDRサービス市場はEDRの普及とともに今後大きく伸びると期待されます。
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