FIDOアライアンスは12月8日、パスキーを中心としたFIDOアライアンスの最新動向と国内外での今後の取組みについて紹介する記者説明会を実施。70億を超えるユーザーアカウントに対してパスワードレスサインインへの対応を開始したことを発表した。
パスキーは、FIDOアライアンスによって策定された新しいパスワードレス認証方式。ユーザーのデバイス間での利用、もしくは単一のデバイスに紐づけた利用が可能で、フィッシング耐性のあるセキュリティを提供できるとしている。アドビ、アマゾン、アップル、グーグル、LINEヤフーなど、コンシューマーブランドが2023年に自社サービスへのデバイス間でのサインイン用にパスキーでのログイン提供を開始。また、Fox、Hyatt、Intuit、Targetなどの企業がパスキーによる認証オプションを強化したため、企業内での利用も増えたと説明した。
同組織はパスキーが普及した1つの要因として、グーグルがパスキーを個人のグーグル・アカウントのデフォルトサインイン方法としたことを挙げた。これにより、900万を超える組織でユーザーがパスキーを使ってグーグルのサービスにサインインできるようになり、サインインの速度がパスワード利用時と比較して40%高速化されたとしている。
日本では、FIDOアライアンスの250社を超えるメンバー企業のうち64社がFIDO Japan Working Group(FJWG:FIDO日本作業部会)に参加。説明会では、住信SBIネット銀行がFIDOアライアンスにスポンサーメンバーとして参加し、メルカリがFIDOアライアンスのボードメンバーとして参画したこともあわせて発表された。
FIDOアライアンスの別の報告書によると、パスキーの認知度は2022年の39%から現在では52%にまで上昇したという。パスキーがサポートされてから1年あまりでユーザーの認知度が高まっており、回答者の半数以上がアカウントにサインインするためにパスキーを設定したとのことだ。
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