SAPは、オーランドで開催されたSAP Sapphireカンファレンスで、生成AIのイノベーションとパートナーシップを発表した。
同社は、生成AIが企業レベルで実現できることの可能性を広げるため、AWSおよびMicrosoftとの協業拡大に加え、Google Cloud、Meta、Mistral AI、NVIDIAとのパートナーシップにより、AI対応技術の力を活用して迅速に革新を遂げ、より豊富な実用成果を提供するとしている。
Google Cloud
両社のパートナーシップを拡大し、ビジネスAIを活用して企業がサプライチェーンリスクをより適切に予測・軽減し、混乱を最小限に抑え、最適な在庫レベルを維持するという。両社は、JouleとSAP Integrated Business Planning for Supply Chainを、Google CloudのGeminiモデルAIアシスタントおよびGoogle Cloud Cortex Frameworkのデータ基盤と統合するとしている。
Meta
Meta Llama 3を活用してSAP Analytics Cloudでカスタマイズされた分析アプリケーションを生成するという。Metaの次世代AIモデルは、言語の微妙なニュアンスと文脈理解に優れており、企業のビジネス要件を具体的な成果に変換するのに最適だという。
Mistral AI
SAP AI Coreの生成AIハブ機能に、生成AIを専門とするMistral AIの新しい大規模言語モデルを追加するとしている。
NVIDIA
両社は、最先端技術をエンタープライズ向けビジネスアプリケーションに組み込むためのクロス・プロダクト・パートナーシップを推進するという。
- SAPは、RISE with SAP導入支援のためのAIアシスタントとしてJouleをトレーニングする際、NVIDIAの最新AIモデルがSAPコンサルティング資産を分析し、的確で関連性の高い回答を導き出すように取り組む
- SAPは、JouleをABAP Cloudモデルに組み込み、SAP開発者向けにABAPコードを生成。この際、NVIDIAの高速処理インフラストラクチャを活用し、SAPの生成AIモデルの実行、拡張、管理を行う
- SAPは、生成AIをSAP Intelligent Product Recommendationに導入し、NVIDIA Omniverse Cloud APIを活用して、複雑な製造製品や構成をデジタルツインとしてシミュレーションすることを可能にする
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