みらいDXアカデミーは、2024年6月10日に金融DX人材の育成を支援することを目的として発足し、設立記念プレスイベントを開催した。
事務局長を務める佐伯卓也氏はプレスイベントの冒頭、「地域社会の連携を強化し、持続可能な未来を築いていくことを目指しています」と同法人の目標を説明した。
発足の経緯として、みらいDXアカデミー 事務局 佐伯慎也氏は 「金融機関が生き残っていくには“人を育てる”ことが大切だと考えています。金融機関が地方自治体や地域の企業に対してソリューションを提供していくと考えたときに、技術のみならず、プロジェクト推進力や経営計画に基づくデジタル戦略の構想力、地域のDXを支援する提案力などをどのように身に着けていくべきかということが重要なテーマになりつつあります」と話した。
佐伯卓也氏と佐伯慎也氏が取締役を務めるダイナトレックでは、地域金融機関の「データ活用」に特化したソリューションを提供している。こういた活動の中で重要視しているのがコミュニティ活動だという。今回発足したみらいDXアカデミーは、ダイナトレックが2014年から推進してきたデータ活用コミュニティを発展させたものだとしている。佐伯慎也氏は「いち企業としてではなく、公益性を保った団体として金融機関のデータ活用を推進していきます」と説明。
同法人では、特に以下の3点に着目し、研修やミートアップの実施や教材の提供などを通して金融機関のDX人材育成に寄与するとしている。
- 越境性:組織や業界など既存の枠組みを超えた人的交流の創出
- 具体性:具体的なテーマ・内容に基づく交流
- 実現性:得られた知見を実践に移すための手段の提供
2024年の具体的な活動内容は、以下を予定しているという。
- 金融機関職員による「地域DX留学」をデザイン。地方自治体、地域企業をフィールドとしたDXインターンシップを実施
- 「地域変革」をキーワードに、金融機関×地域企業×地方自治体を軸としたDXミートアップを開催
- 金融機関が実施可能なDXソリューションの事例の蓄積、研修カリキュラムの開発
なお、同法人への助言や指導を目的に、第二地方銀行協会 SARBLAB室室長 榎本清人氏や、金融革新同友会 FINOVATORS 共同創業者 大久保光伸氏、フューチャー 執行役員 住田智子氏など10名がフェローとして就任している。
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