米国ラスベガスで開催中のWorkday Rising 2024。キーノートにて、WorkdayのCEOであるカール・エッシェンバック氏が、「業界は今、クラウドやモバイルが登場した時よりもさらに大きな、史上最大の地殻変動の真っ只中にいます」と述べ、製品のユーザー体験や人々の働き方、組織マネジメントを変革する新たなAI機能を複数発表した。
Workday Assistant:AIによるUXの再構築
複雑で時間のかかる人事・財務プロセスをAIによって変革する。人事や財務の担当者は、給与明細書や福利厚生、時間や休暇に関するポリシーなど、日々の業務プロセスに必要な情報を探すのに膨大な時間を費やしているという。
「Workday Assistant」は、検索機能にAIを実装しており、ユーザーは自然言語で人事や財務に関する質問をすることができる。いわゆる、“AIコンパニオン”のようなイメージだという。コンテキストに基づいて、ユーザーに必要なタイミングでパーソナライズされた回答を提供。これにより、ユーザーのストレスが軽減されるほか、業務効率化を実現し、ユーザーはより戦略的で重要な業務に時間を割けるようになるとしている。
一般提供の開始は2025年初頭を予定。TeamsやSlackなどのデジタルワークスペースとも連携が可能で、各業務環境の中でタスクを完了できるようになるとのことだ。
Illuminate:次世代のWorkday AI
Workday Assistantに搭載された、同社の次世代AI。Workdayが抱える7000万人以上のユーザーから生み出される年間8500億件以上のトランザクションデータと、すべての人事・財務プロセスの背後にあるコンテキストを理解できるAIモデルを組み合わせることで、ユーザーの意思決定や行動をリアルタイムでサポートするという。
生成AIによって、メッセージや契約書などのコンテンツ作成や要約を行うほか、異常検知や自動入力、文書のスキャンなどといった機能も備えているとのことだ。これにより、ユーザーは日々のタスクを効率化できる。
同AIは、既にWorkdayユーザーに向けリリースされており利用することが可能だ。
4つのAIエージェント
「Recruiter」「Expenses」「Succession」「Optimize」という4つのAIエージェントが発表された。それぞれが以下のような役割を果たし、人事や財務担当者のルーティン業務を自動化・効率化するとしている。
Recruiter
職務記述書の作成や、候補者のソーシング、面接の日程調整などの作業を自動化する。また、AIによる人材紹介も行うという。
Expenses
経費報告書の作成から提出、承認までを自動化。たとえば、社員が外で食事をした際のレシートをアップロードすると、レシートとクレジットカード決済の情報が照合され、自動的に経費明細が作成されるという。
Succession
後継者育成プロセスを自動化するという。組織内で将来のリーダーの素質がある人材を特定・推薦し、パーソナライズされた育成計画を作成するとしている。
Optimize
ユーザーのビジネスプロセスにおける、ボトルネックや非効率性の原因を特定するという。たとえば、手作業による非効率的なタスク遂行や、順序を逸脱したステップなどの問題を発見すると、自動的にフラグを立て、修正することが可能だとしている。
上記の発表に加え、同社はSalesforceをはじめとするパートナーとの統合エージェント機能も構築していることを明かした。
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