NTT西日本と山口県は、自治体における働き方改革推進に向けて、庁内業務への生成AI適用、および機微データを扱う業務への大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」活用に関する実証実験を開始した。
実証実験を通じて両者は、tsuzumiの実用性と適用可能性の評価、および適切なAI利用の推進に向けたAIガバナンスの在り方について検討を進めるという。
同実証実験では、機微なデータを扱うためにオンプレミス環境において小型のGPUサーバーでtsuzumiを動作させ、庁内の実データ活用を想定した実証を行う。具体的な対象業務としては、業務上の機微なデータを扱う業務の対応記録の要約・校正や、各種業務マニュアルの検索・要約などを想定しているという。精度向上に向けて業務に特化したチューニングを行い、業務への適用性を高め、評価を行うとしている。
各者の役割
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NTT西日本:
- tsuzumiの提供および環境整備
- 庁内ドキュメントおよびデータを用いたチューニングの実施
- 適切なAI利用に向けたAIガバナンスの検討
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山口県:
- 庁内ドキュメントおよびデータの提供
- 実証実験結果の業務適用可能性の評価
- 生成AIガイドラインの改訂(アップデート)
同実証実験の効果を評価し、その結果をもとにtsuzumiの対象業務へ本格的な適用を進めるとともに、山口県の他の庁内業務への展開、および県内市町の業務への適用などを検討するとのことだ。
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