ピュア・ストレージは3月12日、AI/HPC(高性能コンピューティング)の高度な要件に対応するデータ・ストレージ・プラットフォーム「FlashBlade//EXA」を発表した。
同日に開催された発表会には、ピュア・ストレージ アジア太平洋・日本地域担当VP 兼 CTO マシュー・ウーストヴィーン氏が登壇。昨今のAIのトレンドについて「これまでは『AI 1.0』の年だったが、2025年は『AI 2.0』の年。大きく流れが変わってきている」とし、AIの活用率やROI(Return On Investment)がより重視されるようになっていると指摘する。

こうしたAI 2.0時代のニーズ対応に追われる従来のストレージシステムには様々な問題が生じているという。第1に、GPU稼働率の低さだ。ピュア・ストレージが行った調査によると、企業におけるGPU稼働率は10%未満にとどまっており、「非効率なインフラがマルチモーダルなデータ処理の障壁となり、GPUの稼働率とワークロードの効率化を阻害している」とウーストヴィーン氏は言う。また、拡張性の問題、特にメタデータがボトルネックになっているとし、「従来型システムはメタデータ処理の限界によって拡張性と性能の課題に直面している」と話す。さらに、インフラの複雑化とスースケースのサイロ化が運用管理の工数を増やし、結果としてROIが低下する要因になっているという。
今回発表したFlashBlade//EXAは、このギャップを埋め、ROIを上げるAIの利用環境に適した新サービスだとしている。
FlashBlade//EXAの特徴の一つとして、ウーストヴィーン氏は「オールインワン型」である点を挙げ、「AIモデルのトレーニングから推論、本番運用まで適用可能なAIデータプラットフォームだ」とした。2つ目の特徴は性能。FlashBladeを基盤とする実績に裏付けられたアーキテクチャにより、大規模なAI/HPCワークロードに求められる並列処理とメタデータ処理を可能にすることで、メタデータのボトルネックを解消するという。単一のネームスペースで毎秒10TBを超える読み取り性能を備えているとのことだ。「この速さは世界最高速だ」とウーストヴィーン氏は自負する。
さらに、FlashBlade//EXAアーキテクチャは、データとメタデータをそれぞれ個別に拡張し、拡張性の高い多面的性能を可能にするサードパーティの既製データ・ノードによって拡張性を実現。加えて、標準プロトコルとネットワーキングの採用により、デプロイメント、管理、拡張を容易にするとしている。

なお、FlashBlade//EXAの一般提供開始は2025年6月ごろを予定しているとのことだ。現地時間3月17日から21日にかけてサンノゼで行われるNVIDIAのカンファレンス「GTC 2025」にて公開されるという。