フォーティネット(Fortinet)は、グローバルクラウドインフラストラクチャ「FortiCloud」の強化と拡張を発表した。
今回のリリースには、ハイブリッド部門がクラウドベースのアイデンティティ(ID)管理に使用できる「FortiIdentity」、加えてエンタープライズクラスのセキュアストレージと通信セキュリティを提供する「FortiDrive」および「FortiConnect」のふたつのβサービスが含まれるという。これらの各サービスはフォーティネット セキュリティ ファブリックと緊密に統合され、追加的なセキュリティ対策として場当たり的に利用されがちなポイント製品に代わる、セキュリティネイティブな機能を実現するとしている。
FortiCloud:最新ITの活用に最適化したセキュリティネイティブなサービス
今回の機能拡張は、組織によるツール群の統合やセキュリティ態勢の強化、総所有コストの削減に貢献するという。FortiCloudサービスポートフォリオには、現代のハイブリッドワーカー向けに設計された以下3つの新しいセキュリティネイティブサービスが追加されたとのことだ。
FortiIdentity
ID/アクセス管理(IAM)ソリューションが、FortiCloudから提供されるという。これにより、特に大企業における安全なID管理に必要な多機能かつクラウドネイティブなアプローチを提供するとしている。FortiIdentityでは、セキュアシングルサインオン(SSO)、多要素認証(MFA)、FIDO2パスキー、加えて同社とサードパーティのアプリケーション間のIDフェデレーションが可能で、追加のハードウェアやソフトウェアは必要ないとのことだ。
FortiToken Mobile、FIDO2パスキー、SAML/OIDC標準をサポートしているため、ID管理が簡素化され、大企業およびMSSPの要件に合わせて容易に規模を調整することも可能だという。FortiIdentityのモジュールとしてFortiPAM-as-a-Serviceを追加すると、IT環境への特権アクセスを保護するために必要な、継続的ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)チェックを実行できるとしている。
FortiDrive
保存されたデータと移動中のデータを保護する、セキュアファイルストレージおよびコラボレーションソリューションだという。高度な暗号化ときめ細かいアクセス制御が可能なため、組織はコンテンツを安全に保存し管理できるとのことだ。リアルタイムのコラボレーション機能により、ユーザーはファイルやフォルダを同僚や取引先と共同で編集したり共有したりできるという。
また、搭載されたバージョン履歴で変更を正確に追跡し、必要に応じて簡単にロールバックすることが可能。サイト管理機能では、コンテンツをチームまたはプロジェクト別に整理できるほか、ロールベースのアクセス制御と最小権限の原則に基づいたポリシーベースのコンプライアンスを適用することも可能だとしている。
FortiConnect
統合型の通信プラットフォームで、FortiDriveとシームレスに連携してどこからでも安全に通話、メッセージ送信、会議、ファイル共有を行えるという。FortiGuard LabsのAI活用脅威インテリジェンスに基づいた直感的なコラボレーションエクスペリエンスを提供し、日々進化するサイバー脅威から通信を保護するとのことだ。
これら3つのサービスはすべて、フォーティネット セキュリティ ファブリックとネイティブに統合され、ユーザー、デバイス、アプリケーション、データ、およびAIエージェントの全域にわたる一元的な可視化と一貫したポリシーの適用、リアルタイムの脅威保護を実現するとしている。
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