アクセンチュアは11月27日、12月1日付で代表取締役社長に就任する濱岡大氏の就任記者会見を開催した。
同 代表取締役社長(12月1日就任予定) 濱岡大氏
記者会見の冒頭、12月1日付で代表取締役社長の座を退き、代表取締役会長 兼 アジアパシフィック共同CEOに就任する江川昌史氏が登壇。同氏は、自身が社長に就任した10年前を振り返り、当時、世の中に「デジタル」や「DX」という言葉が浸透していない時代に、「デジタルの領域でナンバーワンになりたい」と宣言したことに言及した。この10年間で、同社は社員数が5倍、売上が当時の7倍に成長したという。
この背景には、超ハードワーク・左脳文化からの脱却を目指し、クリエイティブな人材やデジタル人材が融合する組織文化への変革を推進したことがあったと振り返る。この変革の結果、今では5つのサービスグループが「ワンチーム」として機能する「アクセンチュア・ジャパン独自のモデル」ができあがりつつあり、これがグローバルのモデルになろうとしている状況だと述べた。
そして、次なる10年に向けては「AI時代への対応が極めて重要だ」と指摘する。江川氏は、次の成長にはAI時代にふさわしい人間が後任になるのが最も正しい選択であるとの考えから、濱岡氏を新社長に任命したと説明した。
同氏は「AIはただ導入するだけでは何も変革できない。使いこなして初めて価値が出る。この使いこなすプロセスにおいて、必ず『変革のパートナー』が必要になる」とし、クライアントのCEOと多くの激論を交わして成果に真正面から向き合ってきた濱岡氏が、このAI時代を乗り越えていける人物だと期待を寄せた。
続いて、12月1日付で代表取締役社長 代表取締役社長に就任する濱岡大氏が登壇し、抱負を述べた。濱岡氏は1998年の入社以来コンサルティング業務に携わり、直近ではビジネスコンサルティング本部の統括本部長としてビジネスを牽引してきた人物だ。
同氏は、今後経営を取り巻く環境はさらに変化が激しくなり、AIを含むテクノロジーの進化が加速する中で、「これまで以上に変化のスピード自体が上がっている」との見解を述べる。企業や社会がこの変化に追随し、継続的に変革し続けることが、成長と発展に不可欠であるとした。
その中で、企業が直面する課題は、よりスピードを上げて新しいことにチャレンジし続け、成果を出すモデルを作ることだと指摘。特に大企業においては、「ルーティンワークはAIが担う時代となり、新しいことにチャレンジしたり、これまでのものを変革したりしていくことが人が担うべき業務になっていく」と述べ、今後、変革プロジェクトを多数立ち上げる必要が出てくるという見解を示した。
この変革プロジェクトの遂行は、「ルーティンとは違って、いつまでに何をどれぐらい変えなきゃいけないというところからスタートする」ため、企業活動のほとんどが「プロジェクトワーク型」になっていくだろうと述べる。そして、「クライアントのこうした変革をスピード感をもって支援していくことがアクセンチュアの仕事である」とし、目指す姿を「変革プラットフォーマー」という言葉で表現した。
これは、プロジェクトワーク型への移行が進むクライアントに対し、アクセンチュアが持つネットワーク、ノウハウ、パートナー機能とのコラボレーションを最大限に活用し、変革プロジェクトの立ち上げと推進のスピードを加速させるための基盤であり続けたいという意味が込められているという。「クライアントが我々にアクセスすることで、より大きなインパクトを出していけるような存在になっていきたい」と意気込みを見せた。
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