「プログラマブルフロー」は、「OpenFlow」をベースにNECが研究開発したアーキテクチャで、物理ネットワークを意識することなく、シンプルで安全な仮想ネットワークを容易に構築できるとしている。仮想サーバの増設などによるネットワーク拡張、仮想ネットワークのデータの流れをGUIによって可視化するなど、きめ細かな経路制御や効率的な運用管理が可能だという。この技術は、「UNIVERGE PFシリーズ」に実装されているという。
今回の機能強化では、大規模クラウドデータセンタなどにおける複数のPFCの統合管理を実現するとともに、ユーザが容易に仮想テナントネットワーク(VTN)を設計構築できるGUI管理画面ツールや、外部の運用管理アプリケーションとの連携を可能とするAPI機能を追加したという。
発表によると、機能強化の概要は次の通り。
・複数のPFCを統合管理可能(Web GUI管理画面)
従来、各PFC単位のGUI管理画面で操作が必要であったものが、新機能により、複数のPFCの情報を統合するWeb GUI管理画面で全体を可視化することが可能となった。これにより、複数のデータセンタや拠点に設置した複数のPFCを集中管理するのが容易になる。
・GUI管理画面上でVTNの構築が可能
GUI管理画面上で簡単なマウス操作によってVTNが構築可能となり、従来 コマンドで入力していた作業と比べ、操作性とユーザビリティを向上。
・運用アプリケーションなどとの連携によるフロー制御が可能
外部の運用管理アプリケーションなどからPFC の各種操作(フロー制御など)を実行可能とするWeb APIを公開。これにより、プログラマブルフロー以外のシステムとの連携が可能となった。
このほか、仮想LANにおける最大4096個のID設定制限を越えた利用や、PFCからに対応していない既存のスイッチ「UNIVERGE QXシリーズ」(NEC製)への設定も実現したという。
なお、プログラマブルフロー・コントローラ「UNIVERGE PF6800」は、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズの、新しいクラウドサービス、「Bizホスティング Enterprise Cloud」の基盤の一部として採用されたという。
このサービスでは、OpenFlow技術などにより、国内外の複数のデータセンタを一体的に運営できるため、従来は数日かかっていたデータセンタ間の接続などを遠隔地から数分で完了できるようになるなど、グローバル規模のICT基盤を自由自在にコントロールすることが可能な、国境のないクラウドサービスを提供しているという。