発表では、訪問看護サービスの利用者の情報やこれまでの看護記録の即時参照、訪問看護記録の即時入力などができるモバイルICT端末を持たせることで、訪問看護の質の向上と一層の業務効率化を図るとしている。この端末は3月1日から全訪問看護師に配布し、使用を開始しているという。
今回、セコム医療システムが構築する訪問看護モバイルネットワークは、セコムの「セキュアデータセンター」で医療情報を安全に一元管理するだけでなく、必要に応じて主治医やケアマネージャー、地域の医療機関・介護事業会社との連携を見据えたものになっているという。そのため、訪問看護師は訪問看護サービスの利用者宅からリアルタイムで動画像のやりとりを行うこともできるという。
発表では、モバイルICT端末導入のメリットを次のようにまとめている。
1. リアルタイムな情報共有と医療連携
モバイルICT端末は、訪問看護師が入力した看護記録・動画像を訪問先から訪問看護ステーションと即時に共有できるため、リアルタイムに連絡・確認を行うことが可能。 また、利用者の状況の変化を主治医に報告・相談する際も、利用者宅から直接主治医に動画像などを送ることができるため、主治医の判断を早期に得られ、より適切な看護を実施することが可能。
2. 独自のデータセンターの活用で安心のセキュリティ
記録されるすべての医療情報はセコムの「セキュアデータセンター」で厳重に保管・管理。また、訪問看護師が持ち運ぶモバイルICT端末上には、一切データが残らないシステム構成。
3. 遠隔医療インフラとしての拡張性
地域の医療機関や介護事業所との情報共有が可能なため、将来的には現在研究開発を進めている肌の色を精確に再現する「モバイル遠隔診療システム」のインフラとしての活用も検討。
4. モバイル化による看護の質の向上と業務効率化
「セキュアデータセンター」に保存されている過去の訪問記録や既往歴・服薬状況の看護記録を「いつでも・どこでも」確認することができるようになることで、看護の質の向上と業務の効率化を実現。
①訪問看護の質の向上
通常の訪問時はもちろん、夜間、緊急連絡を受けたときにも、利用者の情報を早く正確に把握。申し送りなどの情報伝達の確実性を高めることが可能に。
②入力負荷の軽減による業務効率化
訪問スケジュールの確認・変更・訪問記録の入力をいつでも確認でき、移動時間や訪問記録の入力時間を短縮。これにより、サービスの質を担保しながら業務の効率化を実現し、訪問看護師の負担軽減に。
③教育ツールとしての効用
モバイルICT端末の導入により、蓄積された看護記録やマニュアルを共有することが容易になり、訪問看護師の技術向上の教育ツールとして活用可能に。また、看護の現場で判断に迷ったときの指導ツールとしても活用可能。
【関連リンク】
ニュースリリース