キヤノン、リコー、富士ゼロックスの3社で60%以上のシェア
プリンター機能に加えて複写機能、スキャナー機能などを備えた、レーザーMFP市場は、カラーレーザーMFPが、前年同期比0.3%減の12万2,000台、モノクロレーザーMFPが8.1%減の4万1,000台となった。レーザーMFP全体では前年同期比2.4%減の16万3,000台となっている。
レーザープリンター市場は、カラーレーザープリンターが、前年同期比2.3%減の4万2,000台、モノクロレーザープリンターが5.9%減の9万8,000台となった。レーザープリンター全体では、前年同期比4.8%減の14万台となっています。ベンダー別の出荷台数シェアでは、キヤノン、リコー、富士ゼロックスが大きなシェアを持っており、この3社で60%以上のシェアを維持している。
国内レーザーMFP/プリンター市場は、前述の全ての市場セグメントで前年同期比マイナス成長となった。厳しい市場環境の中で、最近コンビニに設置されているA3カラーレーザーMFP(コンビニ設置MFPと呼ぶ)の進化が注目されている。最近のコンビニ設置MFPは、コピーを中心とした基本機能に加えて、クラウド連携によってコンテンツアウトプットポータル機能やモバイルワーク支援プリント機能などを持つようになってきた。
コンビニ設置A3カラーレーザーMFPがアウトプットポータルに進化
コンテンツのアウトプットポータル機能とは、クラウド上の多種多様なコンテンツを自由にプリントする機能になる。こうしたコンテンツには、アーティストやアニメキャラクターのブロマイド、地図、楽譜、各種公営ギャンブル関連情報などがある。また、マイナンバーカードを使って住民票や印鑑登録証明書といった各種証明書をコンビニ設置MFPからプリントすることも可能だ。
現在、対応している市区町村は、全国で400を超えている。さらに、コンテンツのプリント用IDを、ソーシャルメディアを使って共有するという新たな活用事例も紹介され始めている。こうしたコンテンツには、スポーツイベントの応援用プラカード、デモ参加者用プラカード、クリエイターが作成したイラストなどがある。こうした活動は、ソーシャルメディアで物理的プリントアウトを共有するという新たな価値を模索する動きとして注目されている。
コンビニ設置MFPのもう1つの重要な機能は、企業のモバイルワークを支援するモバイルプリント機能だ。この機能を使えば、出張/外出先でコンビニに立ち寄ることによって、クラウド上にある文書をその場でプリントすることができる。また最近では、あらかじめ法人契約を結ぶことによって、企業ユーザーのアカウントを使ってプリントし、まとめて課金するサービスも利用できるようになってきた。働き方改革を推進する多くの企業にとっては、今後重要な機能となっていく。
IDCの調査によれば、コンビニ設置MFPは、2012年からの累計設置台数で約6万4,000台にのぼり、国内のほぼ全てのコンビニにMFPが設置されていることがわかる。コンビニ設置MFPは、国内におけるコンテンツビジネス、そしてモバイルワーク等の働き方改革を支援するためのプリンティングプラットフォームとして、大きく進化していく可能性がある。
IDC Japan イメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田英次氏は「コンビニ設置MPFはクラウド連携によって大きく変化しようとしている。従業員の働き方改革を目指す企業は、モバイルワークの際のプリント支援環境として、コンビニ設置MFPの活用を考慮すべきである」としている。
今回の発表は、IDCが発行したデータ製品「国内プリンター市場 2017年第2四半期の分析と2017年~2021年の予測」「国内MFP市場 2017年第2四半期の分析と2017年~2021年の予測」にその詳細が報告されている。