ストレージ性能が良いOracle Cloudはデータベースを動かすのが得意
関氏がもう1つOracle Cloudの特長として挙げたのが、ストレージのサービスがデータベース向きということだ。
「他のクラウドがどちらかと言えばお金を払った分だけストレージのIOPS性能を提供するとなっているのに対し、Oracle Cloudではストレージ容量に応じIOPSが増えるようになっています」(関氏)

この容量に応じIOPSの増える割合が、かなり大きいというのが他と異なる点だ。たとえばOracle Cloudのストレージでは、容量100ギガバイトを選べば6,000IOPSとなり、ボリューム当たり最大25,000IOPSまでリニアにスケールしていく。このように1ギガバイト当たり60IOPS増えるのに対し、他のクラウドのストレージサービスでは1ギガバイト当たり3IOPS程度しか増えないものも多く、高いIOPSが欲しければコストを追加して「IOPSを買う」ことになるわけだ。
「Oracle Cloudのストレージは、容量を割り当てれば当てただけIOPSが増えます。なのでOracle Cloudの何が良いかと訊かれたら、私はストレージの性能が出るところだと答えます」(関氏)
IaaSで同程度のスペックを用意すると、Oracle Cloudは他のクラウドよりも定価ベースで少し高くなる。ところがストレージまで含めた「データベースを動かすような環境」を組んで価格比較すると、Oracle Cloudは安くなることが多いと。さらにサポート価格が含まれていることまで考慮すれば、他のクラウドよりも安価な見積額が出やすいとも言う。こういったところを見ると、Oracle Cloudはデータベースを動かすことが得意なサービスだということが見えてくる。

データベースを動かすところに優位性はあるが、現状、性能のいいストレージサービスが北米のデータセンターからしか提供されていない点には注意が必要だ。この辺りは、先日発表された新たな国内データセンターの早期実現に期待したいところだ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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