クラウドバックアップの先を行く災害対策を
今回アクロニスが提供するディザスタリカバリ機能は、既存のアクロニスのクラウドバックアップ機能と復旧機能の間に位置する。「バックアップとディザスタリカバリ、そしてBCPがセットになったソリューションです」と佐藤氏。ブラウザの管理画面では、ディザスタリカバリをクリックするだけで、アクロニスのIaaS上にシステムが復旧する。この時に、たとえばサーバーの起動の順番などを記述したスクリプトを自動で動かすことも可能だ。
ディザスタリカバリ機能のもう一つの特長が、テスト機能が用意されていること。災害対策の構成をSIなどで手間をかけ構築しても、実際に本番から切り替えテストを行うのは簡単ではない。災害対策はしていても十分なテストが行えないために、いざ切り替えの際に手間取ってトラブルが発生することも予想される。アクロニスのディザスタリカバリにはテストボタンがあり、それをクリックすればすぐにフェイルオーバーのテストがすぐに行えるのだ。
「AzureでもAWSでも、いくつかの機能を組み合わせることでシステムバックアップを用いた災害対策構成を作ることができるでしょう。とはいえ、それは簡単ではありませんし、テストを簡単に行うこともできないでしょう」(佐藤氏)
災害対策の仕組みをSIで作り込むことはできる。だが、それには大きなコストがかかり、その上でそのコストは実際に災害が発生するまで回収できない。そのため「限られたIT予算を、なかなか災害対策に充てられない現実もあります」と古舘氏。これに対してもアクロニスのディザスタリカバリ機能であれば、実際に復旧させた際に利用したIaaSの分だけのコストしか発生しない。簡単に実装できるだけでなく、コストの面からも導入しやすいサービスなのだ。
このアクロニスが提供するディザスタリカバリの仕組みは、すでに北米などでは導入実績も多い。日本では今後、主にパートナー経由の災害対策ソリューションとして提供していくことになる。さらに「データセンター事業者などにも自分たちの災害対策ソリューションの一つとして採用してもらおうと考えています」と古舘氏。アクロニスでは、この仕組みを広く啓蒙し、多くの企業や組織においてクラウドバックアップの一歩先となる災害対策が実現できるように推進していく。
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