自社研究組織でAI技術の研究を進める楽天
森氏は楽天の執行役員を務めるとともに、楽天技術研究所の代表と楽天生命技術ラボの所長も兼任する。ちなみに楽天技術研究所は、主にディープラーニングを中心とした先端技術の研究開発を行っており、世界5カ国に拠点を持ち、150名以上の研究者がさまざまな研究テーマに取り組んでいる。2017年には全部で66の研究プロジェクトが生まれ、そのうち42が実際のビジネス成果に結び付いたという。
「長期的な基礎研究を行うというよりは、先端トピックの中からビジネスにインパクトを起こす研究テーマを選んでいます。楽天は自社で大量のデータや大規模プラットフォームを保有していますから、これらを使ってさまざまな実証を行って学術的な成果を素早くビジネス成果に落とし込むことができます」(森氏)
現在行っている研究の多くはディープラーニングを使ったもので、楽天の多くのビジネスで実証が進んでいるという。例えば画像認識技術を使ったドローンの自律飛行や船の自律航行、ビッグデータ分析を用いたサプライチェーンの最適化、さらには来年の携帯電話事業参入を見据えた5G通信の実証実験や8K映像を用いたVR技術の研究など、幅広い分野で成果を上げている。