タンス株券がチリ紙になる
2009年1月を目標に株券の電子化が実施される。社債株式等振替法という法律に基づく措置である。単に株券が電子化されるだけではない。これによって上場会社が発行してきた紙の株券はすべて廃止される。
その後は紙の株券に代わって、証券保管振替機構(通称・ほふり)と金融機関のコンピュータ間を接続して株式が電子的に一元管理されることになる。このため、自宅や貸金庫などで株主が自ら管理してきた株券(タンス株券)は、株券電子化の実施とともに、すべて無効な紙切れとなる。
これに対処するには、株主は、事前に証券会社などを窓口としてタンス株券を証券保管振替機構に預けておく必要がある。もちろん、タンス株券がチリ紙になっても、株主の地位まで失うことわけではない。移行日に株主名簿に記載されている株主の名義で、発行会社が設ける「特別口座」へと移管されるだけである。
しかし、その場合には、株式を売ろうと思っても手間とヒマがかかることになる。それに、名義書換を完了していなければ、株主の地位そのものを失うおそれもある。そのため、注意を呼びかける政府公報「株券をお手元にお持ちの方へ!」が、10月になって新聞各紙に頻繁に掲載されている。