SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

AWSが強化学習型の自動走行レーシングカー「DeepRacer」を公開、DNPがAI人材育成に活用

 アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、機械学習サービスの一環として強化学習型の自動走行レーシングカー「AWS DeepRacer」のWebコンソールと実機の提供をおこなう。大日本印刷(DNP)が、AIスキル人材育成のために活用し、社内レースを定期的に実施する。

 アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、機械学習サービスの一環として強化学習型の自動走行レーシングカー「AWS DeepRacer」のWebコンソールと実機の提供をおこなう。大日本印刷(DNP)が導入し、AIスキルを持つ人材を育成するために活用し社内レースを定期的に実施することを、2019年5月23日に発表した。

 アマゾンは、過去20年間にわたって機械学習への投資をおこなってきた。検索リコメンドエンジンや倉庫でのロボット制御、家庭用ではスマートスピーカー「Alexa」などに、その成果が反映されている。AWSでも、API、マネージドサービス、各種フレームワークや計算基盤を提供してきている。

 たとえばAWSのクラウドベースの機械学習サービス「Amazon SageMaker」を使った米国のメジャーリーグ(MLB)のTV番組では、選手や試合の統計分析からの予測数字などが画面に埋め込まれ、視聴者の観戦の楽しみ方を支援する。こうした事例のサービスは「機械学習によって付加価値を生みビジネスに活用する」ことが目的だと、AWSの瀧澤与一氏は語る。

 「AWS DeepRacer」はAWSの一連の機械学習サービスの中でも、「強化学習」のスキルを開発者の手に届けるためのもの。1/18スケールの自動運転のレーシングカー、学習と評価のためのシミュレータ、世界中でのレースリーグの提供などの一式のサービスとなる。

AWS DeepRacerの実機はIntel チップ、WiFi、カメラ、USB、HDMIポートなどを内蔵

 強化学習とは、特定の環境下で一連の行動に「報酬」のインセンティブを与えることで、自律的で適切な行動をおこなわせる機械学習の方法。自動走行では、カメラ画像から行動を決定するモデルを作成し、環境(コース)に対して、運転を試しゴールに到達できるようにする。そのためには、「報酬関数」が重要となる。開発者は、AWSのコンソール画面から走行コースを選び、様々なパラメーターから設定した報酬モデルでレースを競う。

人工知能と機械学習の全体像の中での強化学習

センターラインを走るように報酬関数を設定する

クルマからのカメラ画像とモデルによる運転行動を登録しコースを走らせる

 レースはバーチャル上での仮想レース「バーチャルサーキット」と、実機による「Summitサーキット」の2種類。バーチャル上で作成された学習モデルをDeepRacerの実機に実装し、実際のコース上を走らせるというもので、今年の6月に開催されるAWS Summitでも仮想レースとともに、ライブイベントでも開催される予定。

AWS Summitでの Summit サーキットイベント

「強化学習のモデルをバーチャルから実世界に適用する時に生じるギャップや課題を克服し、自動運転や自動制御などの社会への応用を目指すエンジニアを増やす」とAWS 瀧澤与一氏は語る。

 大日本印刷(DNP)では、AI人材育成のためにこのプログラムを活用し、3月より社内レースを開催し、グループ会社を含めた73名が参加している。社内での研究成果などは、Qiitaなどを通じて公開している。

「エンジニアのオーナーシップやフィードバック精神を促し、AWSのリーグでも優勝をめざす」とDNPの福田祐一郎氏は語る。現在DNPのIT人材は、現在約2000名ほどで、AI人材は知識レベルの層を含んで200名ほどだという。その数を「今後5年以内に倍にする」(福田氏)ことを念頭に、AWS DeepRacerには積極的に取り組み、6月にはオリジナルのレーシングコースやエンジニア同士の技術交流の場を提供していくという。

 AWS DeepRacerはAWSの管理画面から利用できる。強化学習のコンテンツは無料で、90分間、6つの学習パートで構成される。

大日本印刷株式会社 情報イノベーション事業部C&Iセンター 副センター長 福田祐一郎氏/アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部 レディネス&テックソリューション本部 本部長/プリンシパルソリューションアーキテクト 瀧澤 与一氏

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12062 2019/05/24 07:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング