Eclipse RCPの登場
Javaがマルチプラットフォームに強いことから、Linuxなどを利用しがちな研究所や開発現場においてアプリケーション開発に使う場面が増えました。しかし、ウィンドウAPI(AWTやSwing)への不満や、フレームワークの不在などは課題とされてきました。
開発ツールであるEclipseが登場したとき、Javaでできているわりには動作が軽快かつキレイなことが話題になり、「アプリケーション開発に使いたい」という声が高まりました。それに答えて、Eclipseの上で実行するプログラム、すなわちプラグインを実行するのに最低限必要なフレームワーク部分だけが分離され、アプリケーションの実行環境として使えるようになりました。EclipseではRCPアプリケーションの一覧も公開しています。
ユーザーインターフェース混迷の時代に
以上のような歴史の結果、現在の企業システムにはホスト端末、オフィス・ソフトウェアのようなネイティブ・アプリケーション、クライアントサーバー、Webアプリケーション、リッチクライアントなどが混在している環境となっています。そしてこれらは、一つのテクノロジーに集約することは難しく、今後も当面のあいだ混在させる必要があります。
また、デスクトップOSも混在の時代へと突入を始めています。Linuxデスクトップは急激に機能を向上させ、きれいなフォントが用意され、3Dデスクトップを搭載するなど利便性を向上してきました。Linux搭載ノートブックPCの発表をほのめかす大手パソコンメーカーもあります。Macも家電店でも取り扱うほど一般化し、企業内でも使われることも増えました。携帯電話やPDAに搭載されるGUIシステムも、高度なUIを搭載してきており、業務に使われるシーンも増えています。
アプリケーション形態も混在、デバイスも混在、という時代において、アプリケーション・コンポーネントを共通に使え、どのプラットフォームでも動作し、自由に組み合わせることができる環境リッチなアプリケーション環境が求められています。
(次回に続く)