SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

DB Press(AD)

デジタル変革を支える、データガバナンスフレームワーク

SAS Forum Japan 2019レポート

データガバナンスを支える技術

 川上氏は、データガバナンスは「仕組みを作ったら終わり」ではなく、PDCAを回していくことが重要であるとした。PDCAを回していくことで、主にルールとポリシーを最適化していく。そのすべてのフェーズに対応するのが、「SAS Data Management」製品群である。川上氏は「データガバナンスを支える技術」として、この中から「データ品質」「データプロファイリング」「ビジネス用語管理」の3つについて紹介した。

 データ品質においては、ツールを活用することで組織内に存在するデータを可視化し、データの検証やパターン分析を実施できる。「データプロファイリング」では、ツールに標準で搭載されているプロセスの組み合わせにより、データのクレンジングが行える。「ビジネス用語管理」では、ツールによりビジネスメタデータを定義、分類が可能。クレジットカード番号などの項目をひも付け、項目やテーブルの関連性を自動的に表示される。ビジネス用語の辞書を作ることでデータの活用を促進し、トレーサビリティ・ガバナンスを担保できる。

 続いて川上氏は、「AI Driven Data Management(AI技術を活用したデータマネジメントの効率化)」を紹介した。これは、リコメンデーションや異常検知の手法を使ってデータマネジメントを効率化する取り組みとなる。その背景には、企業が扱うデータはかつてのビッグデータに匹敵する量になっている状況がある。目視による運用を減らして、自動化、効率化を促進させるためには、AIが欠かせないものとなっている。

 その具体的な技術として、まずデータ分類の効率化を挙げた。これは、データソースからデータを読み込む際に、その値に適したタグ付けを行うというもの。これにより膨大なデータの分類を効率的に行える。また、検討中のケースも含めると、たとえばデータが個人情報だった場合に適切な方法でマスキングまで自動的に行ったり、ビジネスメタデータを自動的にひも付けしたりといったことが可能になる。また、データのプロファイリングにより、次に必要なアクションをリコメンデーションしてくれる機能も計画している。たとえば、都道府県による分類ではデータ量が多すぎてしまうので、市町村で分類したらどうか、とデータ利用者に対して次に取るべきアクションを提案する。

 一方で、AIで利用するモデルは、一時間の経過に従って、精度が低下していく傾向にある。これは実はよくあることで、データの傾向が変わっていくと効果が出にくくなってしまう。そのためには定期的なモデルの再学習、再適用が必要になるが、SASの場合は実データを使ったモデルの再学習を繰り返し、常にモデルを最適化する仕組みも今後、搭載していく。。

データガバナンスを支える製品群
データガバナンスを支える製品群

データガバナンスの3つのポイント

 川上氏はまとめとして、まず「データガバナンスには組織全体での取り組みが必須、小さな成功体験も重要」を挙げた。組織に所属するすべてのメンバーが、データガバナンスのポリシーをきちんと理解し、組織全体で設定した目標に向かって推進していくことがとても重要。取り組みには、トップダウンによるスピード感も大事であるが、小さな成功体験をボトムアップで積み上げていき方針を意識づけることも有効であるとした。

 次に「データガバナンスで効果を得るには、活用まで見据えたプラットフォームの選択が重要」を挙げた。データガバナンスできちんと効果を得るには、ビジネス要件とのひも付けを明確にし、PDCAを円滑に回すことも必要。また、ガバナンスによって整理されたデータを使って価値や利益を生み出すには、データの管理だけでなく、活用まで見据えたステップをシームレスに実現できるプラットフォームを選択することも重要になる。

 最後に「SASはAIのリーディングカンパニーとして、AI Driven Data Managementにチャレンジ」を挙げた。SASはデータガバナンスをはじめとして、分析に必要な機能をすべてプラットフォームとして提供をしている。さらに長年にわたって培ってきたAI技術を活用して、DX時代のデータ活用にチャレンジしていくとして、セッションを締めくくった。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

吉澤 亨史(ヨシザワ コウジ)

元自動車整備士。整備工場やガソリンスタンド所長などを経て、1996年にフリーランスライターとして独立。以後、雑誌やWebを中心に執筆活動を行う。パソコン、周辺機器、ソフトウェア、携帯電話、セキュリティ、エンタープライズ系など幅広い分野に対応。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/12277 2019/08/19 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング