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人工知能システムに対する世界の支出額は2023年に約980億ドルに拡大――IDCが予測

  2019/09/19 14:30

 IDC Japanは、「Worldwide Artificial Intelligence Systems Spending Guide」に基づいて、世界の人工知能(AI:Artificial Intelligence)システムに対する支出額予測を発表した。

2018年から2023年までの年間平均成長率は28.4%と予測

 「Worldwide Artificial Intelligence Systems Spending Guide」によると、AIシステムに対する支出額は、2023年に979億ドルに達する見通しだ。これは、2019年の支出額375億ドルの2.5倍以上に相当する。2018年から2023年までの予測期間中における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、28.4%と予測されている。

 「AI市場は2019年、着実なペースで成長を続け、来年以降もこの勢いが続く見通しです」と、米国IDC Cognitive/Artificial Intelligence Systems リサーチディレクターのデイビッド・シュービメル氏は述べている。

 また、同氏は「ERP(Enterprise Resource Planning)および製造ソフトウェアから、コンテンツ管理、コラボレーション、そしてユーザーの生産性にいたるまで、広い範囲に及ぶソリューションとアプリケーションで人工知能と機械学習(ML:Machine Leaning)が利用されています。AIとMLは現在、ほとんどの企業にとって一番の関心事です。AIが及ぼす破壊的な影響力は、今後10年にわたって産業全体を変貌させていくものとIDCでは予測しています」とも述べている。

AIシステムへの支出額が最も大きいと予測される業界は小売と銀行

 AIシステムへの支出額が最も大きいと予測される業界は、小売と銀行になる。2019年の投資額は、どちらの業界でも50億ドル以上と見込まれている。小売業界における支出額の約半分は、自動顧客サービスエージェント、およびエキスパートショッピングアドバイザーに費やされると予測される。

 銀行業界では、自動脅威インテリジェンス/予防システム、および不正行為分析/調査に投資が集中すると予測される。予測期間中にAIシステムへの大幅な投資が予測されるその他の業界としては、組立製造、プロセス製造、ヘルスケア、専門的サービスがある。

 支出の伸びが最も大きい業界は、メディアおよび政府機関であり、5年間のCAGRはそれぞれ33.7%および33.6%と見込まれている。

 「AIはプロトタイプの時期をすでに越え、実行と実装の段階に入っています」と、米国IDC Customer Insights & Analysis リサーチマネージャーのマリアンヌ・ダキラ氏は述べている。

 また、「AIジャーニーを効率よく進めていくにはどうすればいいかという問題に、あらゆる業界の戦略的意思決定者が取り組んでいるところです。銀行、小売、製造、ヘルスケア、専門的サービスを合わせるとAI支出額の半分以上になることから分かるように、進展状況にはばらつきがあります。政府機関、メディア、通信、個人向けサービスについては、現状の学習曲線にも関わらず、平均より高い5年間のCAGRを示すとIDCでは予測しています」と述べている。

上位3つのユースケースが支出額全体の25%を占めると予測

 AIシステムへの投資は、引き続き広い範囲に及ぶユースケースによって促進されている。上位3つのユースケースである、自動顧客サービスエージェント、自動脅威インテリジェンス/予防システム、および自動営業プロセスリコメンデーションを合わせると、2019年における支出額全体の25%を占めると予測される。

 その次に続く6つのユースケースは、合わせて今年の支出額の35%と予測される。2018年から2023年までの予測期間中、成長率が最も高いと予測されるユースケースは、HR(Human Resources)オートメーション(43.3%のCAGR)および医薬品研究開発(36.7%のCAGR)だ。ただし、5年間のCAGRが30%を超えると予測されるユースケースは、その他にも8つある。

 テクノロジー別に見ると、2019年の支出額でシェアが最も大きいのは、サービス(主としてITサービス)と予測される。これは企業におけるAIプロジェクトの設計・実装にあたって外部の専門知識が必要になるためだ。

予測期間中、最も強力な支出拡大が見込まれるのはCAGR45.3%の日本と同44.9%中国

 ハードウェアの支出額は、企業におけるAIインフラストラクチャ構築を背景に、2019年の時点ではソフトウェアの支出額をやや上回る見通しだ。しかし、予測期間の終わり頃には、AIソフトウェアおよびAIソフトウェアプラットフォームの購入額がハードウェアを追い越すと予測される。ソフトウェア支出額については、36.7%のCAGRが見込まれている。

 地域別に見ると、米国は小売と銀行を中心に、予測期間中におけるAI支出額全体の50%以上を占めると予測されている。2番目に支出額が大きい地域は西ヨーロッパで、銀行および組立製造が牽引役となる見通しだ。

 3番目にAI支出額が大きい地域は中国で、小売、自治体、専門的サービスが上位を争うだろう。5年の予測期間中、最も強力な支出拡大が見込まれるのは、日本(45.3%のCAGR)および中国(44.9%のCAGR)になる。

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  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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