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アメフトのプレイブックを企業が持つとどうなるか、アドビがAdobe CXM Playbookの提供を開始

edited by Operation Online   2020/04/10 07:00

 米アドビシステムズは、日本時間4月1日の深夜から顧客体験をテーマとするカンファレンス「Adobe Summit 2020」のオンデマンド配信を開始した。この記事では、基調講演で語られた同社のデジタルトランスフォーメーション支援のビジョンと関連発表のAdobe CXM Playbookの詳細について取り上げる。

アドビがDXで重視するべきと考える3つのテーマ

 前年の「Adobe Summit 2019」の基調講演で、シャンタヌ・ナラヤン氏(アドビシステムズ 会長、社長兼CEO)は、「CXM(Customer Experience Management:顧客体験マネジメント)を通してビジネス変革を進めるべき」と主張した。CXMとは、顧客を正しく理解し、どのチャネルにおいても顧客一人ひとりと最適なコミュニケーションが図れるよう、あらゆる側面から理解する仕組みを運用することを指す。

シャンタヌ・ナラヤン氏(アドビシステムズ 会長、社長兼CEO)

シャンタヌ・ナラヤン氏(アドビシステムズ 会長、社長兼CEO)

 アドビシステムズ(以後、アドビ)は企業のDX推進をサポートするテクノロジー製品としてAdobe Experience Cloudを提供しているが、同製品を活用し、自社のCreative Cloudのビジネスも変革した経験も持つ。既存のビジネスモデルを作り変える変革を進める際の基礎になったのが、「Data Driven Operating Model」というオペレーティングモデルである。DDOMという略称で呼ばれるこのモデルは、「Discover」「Try」「Buy」「Use」「Renew」の5つのフェーズで構成されている。アドビは、顧客がどのフェーズにいたとしても、体験に影響する意思決定はリアルタイムに得られるデータからのインサイトに基づき、実行するように改めた。

 これはアドビ自身が実践したDXについての話だが、今年の基調講演でのナラヤン氏は「他の企業のビジネスリーダーとの会話の中で、DXを進めるために重要な3つのテーマが浮かび上がってきた」と話す(図1)。

<p>図1:アドビが重視する3つのDXテーマ (出典:アドビシステムズ)</p>

図1:アドビが重視する3つのDXテーマ (出典:アドビシステムズ)

  • 人々は製品ではなく体験を買う
    人々は自分を理解してくれていると思えるパーソナライズされた体験を期待している。その期待に応えるには、誰よりもよく顧客を理解し、必要なときに必要なものを正確に提供しなければならないが、その前提となるのがチャネルを問わないシームレスなコミュニケーションである。これは言うは易く行うは難しである。

  • 美しいデザインとインテリジェンスへの接続
    パーソナライズした顧客体験を提供するための基盤に必要になるのがデータとコンテンツであり、AIを統合してリアルタイムに顧客を理解できるようにしたい。Adobe Experience Cloudの基盤となるAdobe Experience Platformを強化し、ユースケースの一つとしてReal-Time Customer Profileを開発したのはそのためだという。データポイントが何百もあっても、リアルタイムに一人の顧客を包括的に理解し、顧客が期待するパーソナライズした体験を提供する能力を提供する。

  • CMOとCIOの10年
    ナラヤン氏は、「最も成功しているデジタルビジネスには、CIOとCMOの強力なパートナーシップがあることを発見した」と話す。かつてのCMOがマーケティングやコミュニケーションの専門知識とカスタマージャーニーに関する深い知識を持っていたのに対し、CIOはデータを統合してビジネスを維持するシステムの構築方法を理解していた。この構図は変わりつつある。マーケティングがより顧客中心かつデータドリブンになったことで、マーケティングとITはこれまで以上に緊密に仕事をすることが求められるようになっているのだ。この組織内パートナーシップによって、企業は説得力のある顧客体験をスケーラブルに提供することが可能になる。

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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

     IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。ビジネスとテクノロジーのギャップを埋めることに関心があり、現在はマーケティングテクノロジーを含む新興領域にフォーカスしている。

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