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IT Compliance Reviewスペシャル

今からでも遅くない、内部統制のミニマム・スタンダード

平成20年4月1日開始事業年度より上場企業等に、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の制度が導入される。3月決算の会社であれば、あと適用事業年度まで1年弱と時間が迫っている。内部統制の評価の基準日が決算日であるので、2年あると思ってはいけない。今回は残された時間を効率的に使うためのポイントについて説明する。 (IT Compliance Review vol.3より転載)

文書化をはじめる前に気をつけたいこと

内部統制、重要なのは「人」

 今回の制度の本質は、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、報告することにある。財務報告に係る内部統制が有効に機能しているかどうかは、当該内部統制が適切な内部統制の枠組みに準拠して整備及び運用されており、当該内部統制に重要な欠陥(財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高い内部統制の不備)がないかどうかにより判定される。今回の制度では、財務報告に係る内部統制を基準及び実施基準等に従って評価し、報告すればよいのであって、必ずしも内部統制が有効であるとう意見表明をしなければならないというものではない。しかし、通常は「内部統制は有効である」と報告したいと思うだろう(有効でもない内部統制について有効であるという虚偽報告をすることは問題となる)。

 制度対応のポイントとして多くの人がツールに目がいきがちである。最も目につく部分であるので仕方がないかもしれない。しかし、基準に書かれている内部統制の定義を見直してほしい。

 「内部統制は組織内のすべての者によって遂行されるプロセス」である。「人」が重要なのである。「人」、これを見据えて制度対応をしなければ時間とお金の無駄遣いになるだろう。

無駄をなくす4つのポイント

 今回の制度の対応を効率的に行うポイントは、下記の4つである。

  1. 不必要な作業をしない
  2. 手待ち時間を減らす
  3. 既存の基盤を最大限活用する
  4. 人を育てる

 作業量としては業務プロセスに係る内部統制の整備状況を確認するために3点セットと呼ばれる「業務記述書」「業務の流れ図」および「リスクと統制の対応」の作成に意識がいきがちになるが、その前にもっとすべき大切なことがある。とりわけ、人を育てるということが重要である。目先の作業に意識がいき、本当に大切なことを後回しにすると結局時間がかかることになる。急がば回れということもある。

時間がかかるのはどこか

 時間がない中でプロジェクトをする際にもっとも重要なことは、どこに時間がかかるかということを把握することである。今回のプロジェクトでもっとも時間がかかるのは文書化作業ではない。もっとも時間がかかるのは、

  1. 制度趣旨を理解してもらい、
  2. 自分たちも今回の制度に関係するので協力しなければならないと納得し、
  3. 自分がなすべきことを理解する

 というプロセスである。

 この現場が協力しようという気にならなければ、ミーティングの設定ひとつにしても時間がかかることになる。プロジェクトを進める上でもっとも時間が無駄になるのは手待ち時間である。ミーティングの設定が遅れるというのはまさにこの手待ち時間が増加することになる。協力する意識が低い状態でプロジェクトを進めてもなかなかプロジェクトは前には進まない。

 上記の3つさえ理解できれば、あとは3点セットの文書化は効率よく進むし、内部統制の改善についても自律的に行われていくことになる。したがって、従業員等に対する周知や教育は非常に重要である。プロジェクトのタスクに周知および教育のタスクを入れることを絶対に忘れてはならない。

ガバナンスが基盤となる

 今回の制度への対応は、企業グループ全体として取り組む必要があるため、企業グループ全体のガバナンスがすでに構築されているかどうかによって、作業の進捗のスピード感に大きな違いが出る。企業グループ全体のガバナンスが弱い組織では、まずガバナンスの構築が必要となることに留意する。残された時間を考えると、企業グループ全体としてのガバナンスを整備してから、プロジェクトをはじめるわけにはいかないので同時並行的に進めることになるとは思うが、企業グループ全体のガバナンスの構築が今回の制度の基盤として重要となることを忘れてはいけない。

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「人」を動かすために

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この記事の著者

丸山 満彦(マルヤマ ミツヒコ)

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https://enterprisezine.jp/article/detail/132 2007/09/07 12:00

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