SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2025 春の陣(開催予定)

2025年3月18日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

Security Online Day 2020レポート(AD)

最新の攻撃事例から考える テレワークを前提としたエンドポイントセキュリティ

巧妙化するサイバー攻撃は点でなく面で捉えるべき

 現在、企業を標的にした攻撃が行われており、数年前からランサムウェアの被害が拡大している。菊川氏は、その被害の事例として2020年6月に起きた、本田技研工業(以下、ホンダ)が受けた攻撃を紹介した。

 この攻撃により、ホンダでは社内でのシステム障害が発生し、工場での生産も停止した。他にもカスタマーサービスや金融サービスにも影響を及ぼし、在宅勤務者のパソコンにも被害があった。この障害は、ランサムウェア「Snake (別名Ekans) 」による攻撃の可能性が指摘されている。

 ランサムウェアは、システム内のプロセスの停止、ファイルを暗号化してロックし使用不可能の状態にし、身代金を要求する攻撃。今回のホンダの被害では、ホンダの内部ドメイン(mds.honda[.]com)の名前解決を行い、ランサムウェアがホンダの環境内で実行できていることを確認してから暗号化を行う手口となっていた。何らかの方法で社内のネットワークに侵入して端末上のファイアウォール設定を変更し、拡散されていったと推測されている。

 菊川氏はこのほか、2020年に目立つようになった新型コロナウイルスを題材としたフィッシングメール「Emotet」の例も挙げた。誰もが注目する新型コロナウイルスに関する情報を装った攻撃だ。メールの内容は不審と判断できる不自然さはなく、悪意のあるマクロが仕組まれたWord文書が添付されている。メールは巧妙で、たとえば取引先とのメールのやり取りの内容を装ったものも登場しているという。

 この背景には、近年目立ってきた「サプライチェーン攻撃」があると菊川氏は指摘する。これは、標的の企業を直接攻撃するのではなく、よりセキュリティが手薄な取引先を狙うものだ。侵入が成功するとそこから標的企業とやりとりするメール情報を盗み取り、その返信を装って標的企業にマルウェアを送りつける。

セキュリティがより手薄な取引先から侵入する
セキュリティがより手薄な取引先から侵入する
[画像クリックで拡大表示]

 IPAが公表した「情報セキュリティ10大脅威 2020」でも、サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃が4位となっている。

 このように、標的型攻撃は場当たり的なものではなく、周到な準備をしていることが分かる。これまでのサイバーセキュリティ対策は、初期侵入や初期感染の検知を優先していたが、ひとたび侵入・感染が起きてしまった後の攻撃を見つけにくくなっている。菊川氏は、標的型攻撃にはストーリーがあるため、個々の攻撃感知という「点」ではなく、全体像を把握できるよう「面」でとらえる仕組みが必要だと述べた。

次のページ
“感染防御” “侵害検知対応” “脅威監視”をワンストップで提供

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
Security Online Day 2020レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/13474 2020/10/20 10:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング