オラクルのCX戦略における4つの柱
アール氏が解説してくれたオラクルのCX製品の強化は、以下の4つの柱に即して行われている。
1. ユニファイドプラットフォーム
マーケティング、セールス、サービス、コマースなどのフロントオフィスのアプリケーションに、バックオフィスのERP、SCM、フルフィルメントアプリケーションを連携させた統合的なアプリケーションプラットフォームを提供する。この連携により、フィールドサービスの担当者は、フロントオフィスのOracle CX Serviceを使いながら、バックオフィスアプリケーションの在庫データにアクセスできる。また、新しいビジネスモデルとして多くの企業が期待するサブスクリプションビジネスでも、フロントオフィスのアプリケーションにバックオフィスの会計システムを連携させれば、定期収益の管理が容易になる。
2. カスタマーインテリジェンス
オラクルが提供する様々なアプリケーション連携を支えるのが、顧客プロファイルを集約するデータプラットフォームOracle Unityである。たとえば、Oracle CX Commerceで把握した顧客の購買行動をOracle Unity上の顧客プロファイルに反映させると、Unityと連携している他のアプリケーションでもその顧客プロファイルを活用できるという。
3. ガイデッドエクスペリエンス
ビジネスユーザーがより高い成果を上げられるようガイド付きのワークフローでサポートする。加えて、2019年9月に発表された新しいUX「Redwood」を採用した新しい機能も提供する。アール氏は2つの機能を紹介した。その1つがPredictive Lead Scoringである。AIが顧客プロファイルや過去の購買データを基にスコアリングを行い、営業に対してクロージング確率の高い見込客を教えてくれる。もう1つがAdvanced Sales Forecastingである。これも営業向けの機能で、高度な売上予測ができるダッシュボードを提供する。バックオフィスのERPアプリケーションとCXアプリケーションを連携させ、よりインテリジェントな販売計画と実績管理が可能になる。
4. インダストリーCX
オラクルはこれまでに様々な業種に特化したバックオフィス向けアプリケーション開発に投資をしてきた。クラウドネイティブのテクノロジーを採用し、特定業種に特化したCXアプリケーションの提供を開始する。アール氏は、業種固有の販売プロセスに対応するだけでなく、フロントオフィスとバックオフィスを連携させた統合型のCXアプリケーションを提供すると明かした。