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三鷹市が進める官民データの利活用とデータ活用基盤 三鷹市企画部情報推進課 林誠也氏 講演レポート

edited by Operation Online   2021/06/02 08:00

 Society5.0、デジタル庁の設置といったデータ駆動型社会への取り組みが加速する中、東京・三鷹市では、市民サービスの向上、地域課題の発見や解決といった視点から、データ活用を強化・拡充している。日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)が、2021年3月4日に開催した「データマネジメント2021」では、三鷹市企画部情報推進課の林誠也氏が「三鷹市におけるデータ利活用の取組について」と題する講演を行い、自治体の情報システムやデータレイアウトの標準化、データ活用に向けた人材育成や取り組み事例、個人情報保護への対応について語った。

官民データ活用推進基本計画と世界最先端デジタル国家創造宣言

三鷹市 企画部情報推進課 林 誠也 氏

 三鷹市企画部情報推進課の林です。「三鷹市におけるデータ利活用の取組について」と題して、社会情勢や課題、制度活用の枠組を踏まえて三鷹市のこれまでの取組と今後の展望について説明します。

 三鷹市は東京都の多摩地区の一番東側に存在する人口約19万人の自治体です。かつては製造業も多く立地していましたが、現在は都心に近い住宅公園都市として注目されています。三鷹の森ジブリ美術館、井の頭公園などの施設もあります。古くからICT分野での取組を積極的に推進してきました。また最近、ふるさと納税の取組も本格的に始めました。

 「官民データ活用推進基本法」が平成28年に制定されました。こちらは市区町村において官民データ活用推進計画を決めて、データの利活用、オープンデータの推進に努力をしなさいというものです。抜粋したものを分類しました。利用可能なデータを増加させることと、利活用する枠組み、仕組みを整備することが基本法の二本柱となります。大きな枠組みとしては、当時は社会課題の抽出・解決とデータの価値を高めて新たな需要、産業の開拓といった産業構造の変革を促そうということが主な方針かと思います。こちらの基本法があってデータの活用をサイバーセキュリティ基本法や個人情報保護法でデータを守りながら取組を進めていくということになります。

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 この法律が制定された後、自治体はどのような取組を進めてきたか紹介します。2020年6月時点の自治体のオープンデータ取組マップです。関東地方中心ですが三鷹市も取組済のオレンジ色になっています。推進は都道府県単位で取りまとめられているので、かなり進捗度合いに大きな差が発生しています。こちらは自治体における推進計画の策定の見込みです。平成30年、策定済が1割くらいです。人口比ではおよそ6割の住民のデータについてはこの時点ではまだ利活用ができていない状況になっていました。

 なぜ自治体で差が生じたのかということですが、まず法律の規定が努力義務であったことがあります。それから個人情報の保護で色々取決めがありますがこれは個人情報保護条例など自治体ごとで調整しないといけませんので大変高いハードルがありました。また地域課題は自治体ごとに違いがあります。人口を取ってみても370万人の横浜市と170人の島しょ部では大きな違いがあり、画一的に開始することは難しかったのです。

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 こうした状況を踏まえて世界最先端デジタル国家創造宣言が閣議決定されました。最初の制定は平成30年ぐらいですが更新されて、令和2年7月が最新です。この中で推進体制として地方公共団体との連携・協力が唱われています。官民のデータ利活用には国が自治体に強力な支援を行い、国全体として進めることが必要であると、これはEBPMやDXへの取組の一環であることが補足資料に示されています。感染症が拡大して様々な課題が顕在化しました。例えば特別定額給付金、雇用調整助成金の滞りや陽性者の報告を保健所からFAX で送っていたなど話題になりましたが、こうした課題はデータの利活用が取組済みであれば解決ができたのではないかということがあり、今後強力に推進していくということが改めて提唱されたのです。

 その中で、データ利活用、データの基盤はどうあるべきかが定められています。データの利活用に向けた基盤は様々な分野におけるDX推進の基盤そのものであるとされています。そもそもデータ利活用ができていないとここから先は何もできないということがここで再認識をされ、明記されました。国際競争力の強化といった経済指標から生活に必須のインフラとして記述が変換されました。データ利活用とデジタルガバメントの実現が政府のデジタル化の2本柱ということになります。

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連載:JDMC/データマネジメント2021 レポート
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