SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine Day 2022

2022年6月28日(火)13:10

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

北川裕康のエンタープライズIT意見帳

サブスクはお金の切れ目が縁の切れ目。エンタープライズITにおけるサブスクの契約問題

サブスクリプションの公式

 SAS Instituteなんかもっと凄くって、1970年代の創業からサブスクリプションでソフトウェアを提供しています。統計の世界は、アカデミックで最新の統計手法が開発され、それを商用で実装して提供するので、サブスクリプションが適合していたのかもしません。その結果、最近まで、数十年にわたり連続して増収、増益を記録していました。CEOのDr. Goodnightは、かなりのビジネスセンスの持ち主です。ご高齢ですが、まだまだ活躍していただきたいです。

 サブスクリプションは、提供側にも大きな利点があります。それは、確実な成長が可能になるということです。サブスクリプションのビジネスの仕組みを、数式で説明します。パラメータは、以下の4つです。

  • 前年の既存ユーザーからの売上
  • 前年に獲得した新規ユーザーからの売上
  • 既存ユーザーのキャンセル率
  • 既存ユーザーからの値上げや追加契約

 値上げについては、物価などの上昇や契約期間中のイノベーション(機能アップ)からの転嫁分で、そのタイミングは各社で違います。

 今年の売上は、以下の数式で構成さます。契約の月次によって、本当はもう少し複雑ですが、この数式では簡素化しています。

今年の売上=今年の新規獲得ユーザーからの売上+(昨年の既存ユーザーから売上+昨年の新規ユーザーからの売上)✕(1 - 既存ユーザーのキャンセル率) + 既存ユーザーからの値上げや追加

 この数式では、ざっくりと、今年の新規獲得ユーザーからの売上と値上げや追加分が、昨年の売上の全体のキャンセル分より多ければ、売上はプラスになります。ビジネスの年月が経てば経つほど、既存ユーザーからの売上比率が高くなり、大きな新規売上を取らなくても成長できるようになります。儲かれば、R&D投資を行い、サービスが改善されていきます。逆に言うと、このサブスクリプションでビジネスをしているベンダーがマイナス成長するということは、かなりビジネス状況が悪いと判断できます。多くのキャンセルを受けている可能性があるからです。

 この既存ユーザーのキャンセル、離反を抑えるということが、サブスクリプションビジネスの鍵です。そのために生まれた職種が、Customer Success Manager(CSM)です。日本ではあまり馴染みはないかもしれませんが、担当する顧客にできるだけサービスを利用していただき、高い満足を得て契約を延長してもらうことが仕事です。顧客に満足いただければ、別のサービスも追加契約される可能性も出てきます。新規顧客を取るより、既存顧客にアップセル(上位製品を売る)、クロスセル(別の製品を売る)する方が圧倒的に容易ですから。

 また、キャンセルを考えるタイミングをずらす目的もあり、ベンダーは長期契約を望みます。先にお金をいただけば、キャッシュフローも改善します。

 ベンダーが高い質のサービスが提供し続ける限り、ユーザー、ベンダーにWin-Winのよい関係が作れるビジネスモデルだと思います。サブスクが、これからどこまで広がっていくか楽しみです。私の次の自動車は、サブスクなんでしょうね。ハードウェアのサブスクが増えると、メーカーが販売店を通さずに直接顧客対応したり、返品のための新しいデマンドチェーンを構築したりと、ビジネスが様変わりしていくと予想されています。このあたりは別途解説したいですね。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
北川裕康のエンタープライズIT意見帳連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

北川裕康(キタガワヒロヤス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/14581 2021/06/25 15:00

Job Board

PR

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2022年6月28日(火)13:10

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング