SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

北川裕康のエンタープライズIT意見帳

サブスクはお金の切れ目が縁の切れ目。エンタープライズITにおけるサブスクの契約問題

 すっかり定着した感のあるサブスクリプション。今回は十数年前のマイクロソフト時代のMSDNやその後のSAS Instituteでのソフトウェアビジネスなど通じて、サブスクの仕組みを公式で解説します。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、現在はクラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長の北川裕康氏が本音と洞察で業界動向を掘る連載。

 サブスク、普通になりましたね。エンタメ、自動車、美容、衣服、食事などの利用に広がっています。私も、Spotify、Netflix、WOWOW、DAZNで、毎月、サブスクでお金を吸い上げられています。NHKも受信料という名の、サブスクですね。しかし、私、どれだけテレビが好きなんだか。

 サブスクの正式名はサブスクリプションで、ウィキペディアによると、サブスクリプション(英語: subscription)は、定額料金を支払い利用するコンテンツやサービスのこと。商品を「所有」ではなく、一定期間「利用」するビジネスモデルのことです。

 このサブスクリプションのソフトウェアでの歴史はかなり古いです。よくあるメンテナンス契約なんかも、ある意味サブスクリプションだと思います。私は、十数年前のMicrosoft、そして、SAS Instituteで、そのビジネスに関わっています。もちろん、WorkdayやInforのクラウドビジネスでもですが。今は、データセンター費用やハードウェアなどの運用コストのチャージなどの相性の良さからクラウドで採用されたこともあり、サブスクリプションがIT業界において花盛りです。利用者のメリットは、なんと言っても月払いや年払いなので、初期投資が少なくて済むことです。そして、ほとんどの場合、サービスが定期的にアップデートされていき、最新のものを自動的に使えます。所有しないので、固定費から変更費にコストが移管できるメリットもあります。ただ、永続ライセンスではないので、お金の切れ目が、縁の切れ目になります。

 Microsoft時代では、私はMSDN Subscription、そして、Enterprise Agreementに関わりました。MSDNは開発者向けの情報提供のサービスで、名前の通りサブスクリプションで提供されていました。その後、開発ツールのVisual Studioのライセンスと合体して、ツールも含めてサブスクリプションで提供されていました。そして、Enterprise Agreement、EAとも言われます。Enterprise Agreementとは、500名以上や500デバイス以上の企業向けのデスクトップソフトウェアに関係するソフトウェアのサブスクリプション契約で、Officeとそのソフトウェアアシュランス、Windows Server、Exchange Serverなどのサーバー製品のアクセス権であるBackOffice CAL(Client Access License)とそのソフトウェアアシュランス、そして、Windowsクライアントのソフトウェアアシュランスがセット(ライセンスはOEMされている)で構成され、年払いのサブスクリプション契約になっています。ソフトウェアアシュランスは、所謂メンテナンス契約で、バージョンアップの権利に色々な付帯サービスがついています。ソフトウェアアシュランスによって、期間中、最新のソフトウェアが使えます。

 ちょっと話題がそれますが、当時には、このソフトウェアアシュランスの価格が、デスクトップ製品ではフルライセンスの1/3、サーバー製品では1/4くらいで設定されていました。実は、ここにバージョンアップ時期のからくりがあり、以前Windowsが3年に一度バージョンアップしていた1つの理由は、3年でアップグレードされないなら、アップグレードの権利なんか買う必要ないじゃんと言われるからです。ですから、色々な意見がある中、がんばってバージョンアップされていたのです。Windows XP(2001年発売)、Windows Vista(ちょっと間が開いて2007年)、Windows 7(2009年)、Window 8(2012年)、Windows 10(2015年) 。意外と真面目だったのですよ、当時のマイクロソフトも。今は方針や契約内容が変わっているかもしれないので、マイクロソフト社の販売会社に詳細は聞いてください。

次のページ
サブスクリプションの公式

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
北川裕康のエンタープライズIT意見帳連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

北川裕康(キタガワヒロヤス)

35年以上にわたり B2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workday、Inforなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションなどで執行役員などの要職を歴任。現職は、クラウドERPベンダーのIFSでマーケティングディレクター。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/14581 2021/06/25 15:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング