
DX推進の機運が高まっている中で、DXにつまずいてしまっている企業も少なくはない。そう語るのは、primeNumberで取締役執行役員CIOを務める山本健太氏だ。未経験の文系エンジニアからキャリアをスタートさせると、昨年には「Forbes 30 Under 30 Asia」の「Enterprise Technology部門」に選出されるという経歴の持ち主だ。そんな同氏に、選出までの経緯はもちろん、DX推進の勘所などを尋ねた。

山本 健太(やまもと けんた)氏
primeNumber 取締役執行役員CIO
早稲田大学政治経済学部卒。代表田邊と共に、広告プラットフォームの一部であるデマンドサイドプラットフォーム(DSP)のプロダクト開発に従事。設計・開発からチームリードを経て、primeNumberを創業。「Forbes 30 Under 30 Asia」の「Enterprise Technology部門」に選出。プロジェクトチームのマネジメントや、データテクノロジー領域のコンサルティング・エンジニアリングサービスの提供を担う。
文系エンジニアからCIOへの転身
今回訪ねたのは、primeNumberで取締役執行役員CIO(Chief Integration Officer)を務めている山本健太氏。同社は、データ統合自動化SaaS「trocco」や汎用型データエンジニアリングPaaS 「systemN 」、コンサルティング・エンジニアリングサービスなどを提供するデータテクノロジーカンパニーだ。
山本氏は、2015年11月に同代表取締役CEOを務める田邊雄樹氏と共同創業しているが、「実は大学生の時には文系学部に所属していて、プログラミングの経験もありませんでした」と明かす。音楽系のサークルでドラムに打ち込んでいた傍ら、インターネット広告をメインとする企業でアルバイトをしていたという。
当時のインターネット広告関連企業は活気を呈しはじめた頃でもあり、おもしろいと感じそのまま新卒入社。関連子会社に配属希望を出したところ、人事にいわれたのは“エンジニアをやってくれ”という一言だったという。「面談のときに突然言われたので驚きましたが、最先端の技術に携わりたいという思いもあったため抵抗感はありませんでしたね」と山本氏は振り返る。
こうしてエンジニアとしてのキャリアをスタートさせた同氏は、BtoBサービスの管理画面の開発を担当しながらHTMLやCSS、JavaScript、PHPなどを学習。業務委託のエンジニアが中心だったこともあり、2年目までに設計からプロジェクトマネジメント、プロダクト企画など全工程に携わることができたという。もちろん、エンジニアとしての経験値不足から精神的な負担もあったというが、3年目のタイミングでプロジェクトマネージャーとしてチームをけん引する業務を任されるようになっていた。
山本氏は「当時は、社内で経験できることもある程度やり切ったように感じており、次のキャリアを考え始めました。入社時からエンジニアリングを学んでいたこともあり、次はビジネス側を理解し、両方の懸け橋になるようなキャリアを築いていきたいと思っていました」と述べる。このとき、当時の上司だった田邊氏もエンジニア中心の会社を作りたいという思いを抱いていたといい、良い機会と考えて共同創業に踏み切ったという。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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