ソフトウェアエンジニアリングとは何か
「ソフトウェア」という言葉を初めて用いたのは、今から約50年前の1958年、米国の統計学者John W.Tukeyです。ソフトウェアは、ごく少数の人々が大型コンピュータで利用する形態から始まり、現在では携帯電話や金融機関のシステムなど、社会経済を支える重要な基盤となっています。
このソフトウェアの生産を工学的に研究する「ソフトウェアエンジニアリング」は、1960年代のCOBOLなど高級言語からスタートし、構造化プログラミングやオブジェクト指向などを経て、現在ではSOAまで発展してきています。
物づくりをするために必要な基礎的スキル
プロジェクトの計画フェーズでは、開発の範囲を切り出し、規模を見積もってプロジェクトを立ち上げます。プロジェクトが始まれば、ヒアリングによって業務要件を整理し、ソフトウェアを設計したり、既存のシステム環境を分析して新規に必要となる技術要件を把握したりします。
これら見積りや業務分析、設計などの作業を円滑に進めるためには、見積り手法や要求工学、アーキテクチャデザインなど、ソフトウェアエンジニアリングの基礎を身につけておく必要があります。
これらの手法は、プロジェクトメンバーがわかっていれば良いと考える向きもあるでしょう。しかし、それでは、計画段階でプロジェクトのWBS検討や成果物の定義を主導することはできません。また、品質を向上させるためのレビューポイントも抑えることができないでしょう。つまり、どのような手法を使うのかは、プロジェクトマネージャ自身がしっかりと理解しておかなければならないのです。