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CXM(顧客体験管理)最前線

データと顧客体験で成長する米国のヘルスケア市場:WalgreensとVeevaの戦略

Vol.1

 コロナ禍からの脱却がなかなか見えてこない日本。欧米でも変異種による感染は予断を許さない状況が続くのは同じだ。しかしながら米国のビジネス環境はコロナ禍をチャンスに転じたデジタル化が進展している。とりわけ医薬品流通やライフサイエンスの分野では「データ」と「エクスペリエンス」によるイノベーションが起きつつある。米国の医薬とライフサイエンスを牽引する代表的企業の動向を紹介する。

ドラッグストアチェーンWalgreensが成長

 Covid-19によるビジネス環境への打撃は大きかったものの、昨年の半ばから急成長を遂げているのが米国の医薬品やライフサイエンスの市場。世界最大のドラッグストアチェーン Walgreens Boots Alliance(ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス:以下WBA)は、11カ国に13,000以上の店舗を持つ、店舗数では世界最大の薬局・ウェルネス小売企業。WBAの株価も、投資家がワクチン展開と並行して景気回復に注目しているため、昨年後半からは上昇を遂げてきた。

 そのWBAは昨年の夏、アドビおよびMicrosoftとの戦略的パートナーシップを発表した。このパートナーシップは、米国で展開するWalgreensと、英国で展開するBootsが、ショッピングとウェルネスの体験を強化し、米国で1億人以上の会員を擁するWalgreensのロイヤルティプログラムを活性化するという目的のために行なわれたもの。

 WBAが実施したのは顧客体験強化のためのプログラムだ。同社は、Adobe Experience Cloudとの連携で、より深い顧客インサイトを明らかにする一連のツールを導入し、Webサイトやモバイルアプリ、店舗などの複数のチャネルを横断して統合し、より適切な顧客体験の提供を実現した。パートナーシップが発表された後でWBAは大きな進歩を遂げ、顧客を中心としたデジタルトランスフォーメーションの効果を実証することになった。

ポータルサイトがワクチン接種の普及促す

 WBAによるもうひとつのトピックは、WBAの子会社である米国最大の薬局チェーン Walgreens(ウォルグリーン)が、Covid-19ワクチンのオンラインポータルサイトを開設したことだ。米国では、近隣のドラッグストアでワクチン接種ができるようになっており、このポータルサイトでは、ユーザー自身が対象者であるかどうかを判断したり、予約をしたり、2回目のワクチン接種のリマインダーを受け取ったりできる。さらに、Walgreensの店舗に行くためのUberの配車の予約も簡単にできるようにした。また、ワクチンに関する情報やアドバイスを提供するハブとしても機能する。

 同社はこのサイトを、IT、製品、マーケティング、小売などの部門の協力により数週間で完成させたという。Adobe Experience Managerをはじめとするアドビのアプリケーションは、webとモバイルのチャネルをまたいで一貫した体験を提供し、Adobe Analyticsを活用してユーザーの行動が滞ってしまうような導線がないかを分析した。これにより、Walgreensは、ワクチンの配布を加速させ、3月には1か月で400万人以上に一巡目のワクチンを接種できたという。

 ワクチンポータルの成功は、Walgreensがこれまで推進してきたデジタルチャネル活用の延長線上にあるもの。同社はパンデミックの初期に、いち早くCovid-19検査のサイトを開設し、消費者の安全な買い物を支援する新しい手段を提供した。例えば、オンラインで注文した商品をドライブスルーカウンターや駐車場で受け取れるように手配した。

 さらに、2020年11月には、同社の顧客体験プラットフォーム「myWalgreens」をアップデートし、注文から最短30分で商品を受け取れるようになったほか、店頭の他、DoordashやPostmatesといったデリバリーサービスなどのパートナーを通じた配送オプションも拡大した。現在までに300万件以上のピックアップオーダーを達成し、モバイルアプリの利用率は前年比30%増と向上させた。

 myWalgreensでは、24時間365日利用できる薬局のチャットシステムや、個別の健康アドバイスなどの新サービスを提供し、また、ワクチン接種の予約を管理するインターフェイスも更新した。アプリの普及に伴い、Walgreensはwebサイトや店舗などのチャネル間の連携を強化している。例えば、初めてのワクチン接種を受けたユーザーは、アプリ内のワクチントラッカーにその情報が直ちに反映されていることを確認できる。

 Walgreensはパーソナライゼーションを重視することで、アプリのユーザーがそれぞれの好みや同社との関係に応じて少しずつ異なる顧客体験を得られるようにしている。アプリのダウンロード数は約7,000万回、myWalgreensの会員数は5,600万人を超えており、ユーザーのアプリのポイントも高評価だ。同社は今後もアドビと協力して、消費者をより深く理解し、チャネル横断で一貫したパーソナライゼーションを提供するだけでなく、変化するニーズに合わせて顧客体験を進化させていくという。

 myWalgreensは、webサイトやターゲットを絞ったプロモーションのチャネルで顧客が目にするパーソナライゼーションをさらに高度化しており、このアプローチは大きな支持を得ている。2021年第1四半期の決算において、Walgreensは、売上増加のうち1.55%が大規模なパーソナライゼーションの取り組みの結果であると発表した。これは消費者が、自分のニーズや企業とのインタラクションが反映された顧客体験に良好に反応していることを示しているといえる。さらに印象的なのは、デジタルトラフィック全体が前年同期比で50%以上増加していることだという。

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顧客体験で医療情報サイトを充実させたVeeva

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