Adobe Senseiが活躍している理由
ワトソン、アインシュタイン、レオナルド……。IT大手企業が相次いで発表したAIのブランドは偉大な天才の名前が多く、全脳型の知性と先端性を感じさせた。それに比べると、日本語の「先生」に由来するアドビの「Adobe Sensei」は、身近なイメージ。どちらかといえば、AIの先端性よりも少し地味な印象を与えたかもしれない。
しかし、この「Adobe Sensei」がこれまでに増して大活躍している。米国ではCovid-19によるパンデミックによって、クリエイターやデザイナーなどの在宅ワークが隆盛したこともあり、Adobe Creative Cloudなどのツールが浸透しているという背景がある。そして、最近では、デザインツールだけにとどまらず、マーケティング、顧客体験、デジタル文書、契約管理などB2Bの領域に拡大している。これらのデジタルツール背景にはアドビのAIテクノロジーがある。「ポスト・パンデミック×クリエイターエコノミー」の世界の進展が「Adobe Sensei」を後押ししているといえるだろう。
こうしたアドビのAIテクノロジーのいくつかの代表的なものは「Adobe Summit 2021」の各セッションで紹介されたが、さらに注目すべきは開発中の製品やプロダクトをチラ見せする「Sneaks」というセッションの数々だ。ここではその6つのプロジェクトを紹介する。