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企業の集客コンテンツづくりはなぜ難しいのか? Marketo Master/Marketo Champion 谷風公一の集中講座【連載第8回】

「おたく、うちのこと何もわかってくれないよね」

 私家版コンテンツマトリクスについて解説する。先に申し添えておくが、どれが良くてどれが悪い、という話ではない。当たり前のことだが、新規リードの獲得や顧客の商材への関心度向上を推進していくには、企業のステージや時流を読みながら、様々なタイプのコンテンツを組み合わせてマーケティング活動をしていくしかない。このマトリクスが、コンテンツの組み合わせを考える上で、少しでもお役に立てれば幸いである。

 このマトリクスでは、横軸にトレンドフォローとエバーグリーン、縦軸にブランド価値と活用イメージをプロットし、コンテンツを4つの型に分類している。例えば右上の象限Cは「商材の活用イメージを伝えるエバーグリーンコンテンツ」となるが、これだと長すぎるので、「顧客が真に求めるもの」型コンテンツ、と呼称することにした。呼称の動機はこのあと述べる。

 

A.「時代の波に乗ろう」型

 2020年の春頃、世界的なロックダウンの中でリモート会議ツールの会社がこぞって作ったのが、この手のコンテンツだった。コンテンツといっても「今の時代、リモートで会議ができないと会社が立ち行かないですよ」と訴求するだけでいい。類似のツールがたくさんあったが、顧客はそれらを機能比較できるほど成熟していないので、こうしたツールが世界に一気に浸透するまでの数か月間、商材の中身に踏み込んだコンテンツは不要だった。これほどトレンドと企業のブランド価値が噛み合いまくった例は近年稀だろう。

 前述した「XX時代の云々」みたいなコンテンツも「時代の波に乗ろう」型の一種である。中には、トレンドと企業のブランド価値が噛み合わないのに、いささか恣意的な文脈でコンテンツを作るケースもある。こうしたケースでは、トレンドの力で新規リードを獲得することはできても、会社や商材の価値が顧客に響かず、その先のマーケティング・営業活動につながらないことが多い。また、こうしたコンテンツは世の中にたくさんあるため、顧客も、同じようなタイトルで様々な文脈の情報を受け取り、混乱していく。「いろいろセミナーを受けましたけど、結局DXってなんなんですかね」とケンブリッジに相談に見える方が2019年の後半くらいから急増したのも、こうした事情からだろう。


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著者プロフィール

  • 谷風 公一(ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)(タニカゼコウイチ)

    ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 アソシエイト ディレクター。「プロジェクトを成功させるのが得意」なコンサルティングファームで、コンサルタント/ファシリテーターとして、数々の企業変革、DX推進のプロジェクトに参画。2019年、社内でマーケティング部門にスイッチ。自社のマーケ・営業組織を改革、デジタルマーケティングを推進。現在はマーケティング部門の責任者。2019年Marketo Champion、2020年Marketo Masterを受賞。

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