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企業の集客コンテンツづくりはなぜ難しいのか?

D.「理念・哲学・共感」型

 このタイプのコンテンツは、通常の顧客にはあまり訴求力を持たない。基本的に、コンテンツのラインナップは、商材に関する「顧客が真に求めるもの」と「最新の成功事例」の2種類で事足りるのでは、と考える。中には、「理念・哲学・共感」型コンテンツで会社そのもののファンになり、そこから商材に興味を持つ人もいるが、顧客全体からするとレアだろう。あなた自身も何か商材を探している際、商材そのものに関するコンテンツと、企業理念などの抽象的なコンテンツのいずれを優先的に見るか、というと、前者ではなかろうか。

 ただ、こうしたコンテンツは、中長期的にジワジワ効いてくる。企業の理念や哲学と商材が文脈的に地続きになっている状況は、顧客や社員に深い納得感と共感を生み、インフルエンサー化を促進する。その商材を全く知らない第三者であっても、インフルエンサーが、自分の共感したその会社の理念と商材をセットで説明すれば、いくぶんイメージしやすくなるだろう。

 「理念・哲学・共感」型コンテンツを作るには時間がかかる。いったん「顧客が真に求めるもの」型コンテンツを積み上げていき、その過程で徐々にその輪郭が浮かび上がってくるものだからである。4つのコンテンツの型の中で、作るのに最も時間がかかる。なんの脈絡もなく「わが社の理念はこれ。経営者の哲学はこれ」といきなり打ち出しても、そこに顧客の共感がなければ、単なるお題目に終わってしまう。むしろ顧客との膨大なコミュニケーションの中から「おたくの会社の、こういうところがいいですよね」あるいは「こういうところを直してほしい」といった生々しい意見を真摯に受け止めて記録して、それらをコンテンツに仕立てていくほうが、顧客の共感を呼ぶコンテンツに早く辿り着きやすい。あるいは、ビジョナリーなカリスマなら、自身のインスピレーションとイノベーションマインドで、顧客を熱狂の渦に巻き込むようなコンテンツをいきなり作ることができるかもしれないが、凡人には縁のない話である。

結局、借り物のビュッフェイベントだけでいいのか

 世の中のコンテンツを「エイヤ」で4つのタイプに分類してみたが、あなたの会社には、いずれのタイプも網羅的に揃っているだろうか。先にも述べたが、どれが良い、どれが悪い、という話ではない。
例えば「太い」顧客をまだ持たないスタートアップ企業は、まずは「時代の波に乗ろう」型と「直近の成功事例」型のコンテンツを集中的に増産し、徐々に会社の知名度と顧客を増やしていきながら、裏で「顧客が真に求めるもの」コンテンツを粛々と準備するのがよいだろう。「顧客が真に求めるもの」コンテンツが潤ってくれば、常に追われていたトレンドフォロー型コンテンツ作りのウェイトを下げていけばよい。

 創業年数の長い企業やライフサイクルの長い商材を保有する企業は、どこかで「顧客が真に求めるもの」型コンテンツをベースにして「理念・哲学・共感」型コンテンツを作り、顧客とのより深いエンゲージメントを目指すべきだろう。

 では、冒頭の問いに戻ろう。

 デジタルマーケティングにコンテンツ作りは必須か? やはり必須だと思う。会社や商材は長く続けば続くほど、トレンドフォローコンテンツだけでは持たなくなるのだ。もちろんこれはアナログだろうがデジタルだろうが、変わることはない。しかしデジタルの世界にエバーグリーンコンテンツを置いておけば、それらのコンテンツが顧客に与える影響を、デジタルマーケティングツールが長期にわたってコツコツと収集してくれる。こうした地味な作業は人間様が不得意とするところなので、ツールに任せるに限る。こうして収集したデータがマーケターにとって有用であることは言うまでもない。

 「時代の波に乗ろう」型と「直近の成功事例」型の借り物コンテンツで、ビュッフェスタイルのイベントだけやってればよいのか? 答えは、企業のステージによる。立ち上げ期の企業や新規リードが枯渇している企業は、この手のイベントをしっかりやり、一刻も早く顧客を獲得すべきである。しかし、どこかで「顧客が真に求めるもの」型コンテンツと向き合っていかなければ、もしかすると顧客離れが始まるかもしれない。

 面倒くさいコンテンツは本当に作る必要があるのか? 「面倒くさい」コンテンツとはエバーグリーンコンテンツのことに他ならず、B2B商材であれば、大なり小なり遍く必要だと思う。どの程度作る必要があるか、は、これもやはり企業のステージや商材の複雑さ、商談までの時間のかかり具合による。この連載も基本的にはエバーグリーンを目指しており、「5年後10年後のマーケターにも響けば」と祈りながら書いているつもりなので、相当面倒くさい。「いやならやめれば」なのだが、まだお伝えしたいことがあるので今しばらくお付き合いいただきたい。

次回は、コンテンツ話の後編である。

以上

谷風 公一(ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 アソシエイト ディレクター。「プロジェクトを成功させるのが得意」なコンサルティングファームで、コンサルタント/ファシリテーターとして、数々の企業変革、DX推進のプロジェクトに参画。2019年、社内でマーケティング部門にスイッチ。自社のマーケ・営業組織を改革、デジタルマーケティングを推進。現在はマーケティング部門の責任者。2019年
Marketo Engage Champion、2020年 Marketo Engage Master、2021年 Marketo Engage Master を受賞。

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