受託型サービスモデルから共創型サービスモデルへ
前回、この連載では、デジタル変革を生み出すためにどのような仕掛け・仕組みをつくるかについて私が実際に取り組んで来た取り組みを踏まえて紹介しました。今回は、実践ポイントの4つ目として、人の育て方、チームの作り方について考えてみたいと思います。
受託型サービスモデル(言われたことを言われた仕様・納期・品質でキッチリ作業するこれまでの仕事の進め方)は、高度成長期から今日に至るまで大規模なシステムインテグレーションには必要不可欠でした。
しかし、これからは、ICTの活用領域の拡大やオープンイノベーションの進展に伴い、経営層の方針の下でさほどITに詳しくない事業部門や更にはその先にいる生活者と共創型サービスモデルを展開する必要があると考えています(図2)。これは、我々のようなITベンダーはもちろん、ユーザー企業でも今後求められるスタンスだと考えています。
では、このような共創型サービスモデルをになう人材の育成や仕事の進め方はどのようにしたらよいでしょうか?
グループとチームの違いとは?
さて、ここで質問です。図3にあるようなグループとチームでは、社内外の人々とビジネスを進める場合、どちらの方が良いでしょうか?
これまでのウォーターフォール型の開発、特に大規模システムインテグレーションでは、グループで進めることが理にかなっていました。しかし、試行錯誤を繰り返し、多様なメンバーとアイデアを共創しながら進めるデジタルビジネスでは、“チーム”発想が良いと言われています。
では、これからはチーム発想が中心でグループ的な仕事の進め方は縮小していくのでしょうか? 目の前の我々のビジネスを考えると恐らくどちらのやり方も必要だと思われます。大切なのはここでも両利きの経営の発想です。