
「データ分析官に頼ることなく、現場の社員が自分でデータ分析を行えるようにしたい……」そのようなニーズに応えるべく、9年前に登場したのがThoughtSpot(ソートスポット)だ。後発ながら、ウォルマートや京セラなど国内外の大企業に導入されており、クラウドアナリティクス企業として注目を集めている。アナリティクスのツールが無数に存在する今、なぜ名だたる大企業からThoughtSpotが採用されているのか。ソートスポット合同会社のシニア ソリューション エンジニア 赤栗雅史氏が、ツールの概要と数々の事例を紹介した。
データ専門家の圧倒的な人材不足 データ分析が困難な現実

赤栗 雅史氏
ソートスポット合同会社 シニア ソリューションエンジニア
2012年にフューチャーアーキテクトに入社後、製造業基幹システム刷新プロジェクトでスクラッチシステムの設計開発を担当。その後、2016年よりDomoにてデータ活用プロジェクトのコンサルティング、導入に従事。
様々な業種や部門でのデータ活用と、DB関連の開発技術の知識や経験を活かし、現在はThoughtSpotにて、誰もが検索とAIを活用してデータからインサイトを引き出すことで、ファクトドリブンな世界を実現できるよう支援している。
現在、アナリティクスの分野においてクラウド変革の波が起こっている。外部の調査によれば、64%の企業が「アナリティクスをクラウドに移行済み・移行する予定」と回答。このトレンドの理由を、「クラウド型のデータウェアハウスは従来の環境に比べデータ保存のコストを抑えることができるし、これまでは難しかった1億件、10億件のクエリ(問い合わせ)もすぐに返すことができる、高パフォーマンスのサービスもあるため」と、赤栗雅史氏(以下、赤栗氏)は技術面から分析する。

そして技術的な要因に加え、ビジネス側における要因も存在する。分析のニーズが高まっているのに対し、BIツールや分析ツールを使いこなせる人材や、分析担当が不足しているのだ。世界にビジネスユーザーは12億人いるのに対し、データの専門家は150万人。そのため、1つのレポート作成に平均で4.8日かかるという計算になる。

「営業や業務部門の人がツールを使いこなしたり、データベースにアクセスしたりといったことはハードルが高い上、そもそもデータへのアクセス権限がないというケースもある」と赤栗氏。そのため、現場の人は固定のレポートをただ見ているだけで、データから重要な洞察や情報を得てアクションにつなげることが難しい状況にあるのだという。

では、それらの問題を解決する機能を備えたツールとして、なぜThoughtSpotが有効なのだろうか。
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- この記事の著者
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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
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