ガートナージャパン(以下、Gartner)は6月8日、日本企業のデジタル・トランスフォーメーションにおけるソーシング動向に関する調査結果を発表した。
調査概要
- 調査方法:Web調査
- 実施時期:2022年4月
- 対象:ITユーザー企業で、ITシステムの構築/導入/保守/運用およびサービス委託先の選定に関与している担当者
- 有効回答企業数:400
予め8つの分野を提示して「デジタル・トランスフォーメーションの取り組み」状況を尋ねた。その結果、すべての分野で、回答企業の過半数以上が取り組んでいる状況が明らかになったという。最も高い割合の取り組みは、「既存ビジネスにおけるコスト削減やオペレーションの効率化」(74%)だった。「既存の商品やサービスの機能や品質の強化」や「既存ビジネスにおける顧客体験価値や付加価値の向上」のほか、関連する「データやITインフラ等の基盤の整備」の取り組みも高かったという。
調査では、3つのフェーズ(戦略・企画立案、設計・開発・実装、運用・管理・保守)におけるイン/アウトソーシングの実施状況についても尋ねた。戦略・企画立案は、社内リソースを中心として進めている企業(「大部分を社内のリソースで対応している」「社内リソース中心だが、社外リソースを部分的に補完目的で活用している」)が約60%。一方、後工程となるシステムの設計・開発・実装では、「大部分を社外のリソースに委託している」と回答した割合が48%だった。
なお調査では、今後のソーシング方針のほか、デジタル・トランスフォーメーションにおける社外のリソースの選択肢についても調査。今後のソーシングの方針は、それぞれの企業の課題や現状のソーシング施策によって異なることがうかがえたという。内製化を進める傾向を示した企業では、社外リソースを補完的に活用しつつも、今後は、社内リソースの育成や強化を目指そうとする様子が見受けられた。
一方、社外のリソースでは、新しいビジネス・アイデアや、新しい技術のノウハウを提供できるベンダーを積極的に開拓している企業の動きもうかがえたとしている。テックベンチャーやスタートアップ、異業種/競合する企業、大学や各種研究機関との連携など、多彩なソーシングのオプションの活用も視野に入れている企業も一定数見受けられたという。
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