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「DX/デジタル人材のつくり方」~組織と個の変革へ踏み出す~

田中研之輔教授と探る、激動する時代のリスキリングとキャリアのあり方 『未来人材ビジョン』実践の鍵とは

【第1回】法政大学 キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事 田中研之輔氏


 激変する社会情勢にあわせ、企業は柔軟な事業改革や事業ポートフォリオ変更が求められる時代となった。その中で課題となるのが、必要な人材の確保や事業にあわせた柔軟な組織編成だ。しかし、人材不足や日本独自の雇用環境、海外の成功モデルが当てはまらないなど、未来人材育成のアプローチが求められている。連載「DX/デジタル人材のつくり方」の第1回では、そうした課題感を軸に大学で教鞭をとり、33社での企業顧問を務める法政大学 田中研之輔教授と、連載ホストであるパーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)ワークスイッチ事業部 事業開発統括部 デジタル人材開発部 部長を務める成瀬岳人氏による対談をお届け。キャリアグロースに関する組織や個人における課題やリスキリングのあり方などについて語り合った。

激動する社会情勢の中、自らキャリアを創り育てる時代へ

成瀬岳人氏(以下、成瀬氏):田中先生に監修いただいた、パーソルが企業向けに提供するキャリア自律支援サービス「プロテア」のローンチから約1年が経ちます。田中先生が提唱される「プロティアン・キャリア」[1]の世界観が、我々が考える「キャリアの自律」の理想と一致しており、まさにサービスコンセプトの屋台骨になっています。導入いただいた企業様からは反響も大きく、改めて自分で自分のキャリアを育てていく、作っていくことの重要性を認識しています。

 そのための1つの手法として「リスキリング」という、技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、自ら新しい知識やスキルを学ぶことの意義について意見交換をさせていただければと思っています。

田中研之輔教授(以下、田中教授):今まさに歴史的な転換期といえるタイミングにあり、とても重要なキーワードですね。デジタルイノベーションの速度が、人の変化よりも速いため、保有スキルが硬直化・停滞化していき、新しいスキルにアップデートしなければならない人たちが増えています。もちろん政府も危機感を感じていて、今後は労働人口が減って慢性的に人材が不足する中で、労働者がいかに活躍できる社会を作るか。そこに本腰を入れて取り組み始めています。そのためには、使えなくなったスキルの代わりに新しいスキルを得て、一番伸びている産業に移行してもらう必要がある。たとえば、「最先端のITテクノロジーを使いこなせるようになってデジタル分野に行く」ということが、スムーズにできるようにならなければいけません。

法政大学 キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事 田中研之輔氏
法政大学 キャリアデザイン学部教授
一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事 田中研之輔氏

成瀬氏:私もまさにそう思っています。リスキリングについて「勉強し直す」という捉え方がされているようですが、本来はゼロから新しいことを勉強するのではなく、自分の専門性を高めるために掛け算できるものをどう見つけて学ぶべきかが重要です。つまり、単にリスキリングだけすればいいというものではないと思うんです。

田中教授:私も、DXとあわせて「CX(キャリアトランスフォーメーション)」が必要だと思います。成瀬さんがおっしゃるように「キャリアに対する構え」「働き方に対する構え」を変えていかなければならない。その動きの一つが「リスキリング」と捉えています。

成瀬氏:そう、あくまで手段の一つであり、目的ではないですから。DXの目的がテクノロジー活用ではなく、トランスフォーメーションによるビジネスモデルや組織の進化であるというのと同じですね。

田中教授:人生100年時代と言われるようになって、もう誰にでも当てはまりますから。私たちも、どんどんトランスフォーメーションしなければならない。でも「リスキリング」というと「学び直し」と受け取られますが、英語でreといえば「過去のものを見直して更新・再生する」という意味です。だから、私はむしろ「アップスキリング」と言いたいところです。どちらにしても、「スキルの上に新しいスキルを掛け算して相乗効果を高める」という意味のトランスフォーメーションであり、単なる転身ではないわけです。

成瀬氏:なぜ今になって、リスキリングやキャリア自律が重視されるようになったと思われますか。

田中教授:日本独自のキャリアを取り巻く文化・風土の問題が大きいでしょう。たとえば、新卒だけでなく中途でも入社したら「入った時点のパフォーマンスが続いていく」という前提でいますが、パフォーマンスを上げないと変化に適応できるはずがない。でも、解雇というシステムがないため、日本のビジネスパーソンはパフォーマンスの現状維持には努めているものの、上げる努力はしないんですよね。大学までは、ある意味での“選抜システム”があるため頑張ります。もちろん、入社後は目の前の仕事を頑張るけれど、それ以降は自らスキルアップしていこうという意欲が低い。それはもう、グローバルで比較すると明らかに低いわけです。

成瀬氏:おっしゃるとおりだと思います。そして、親の世代からなんとなく続いてきたものが、もはや通用しなくなった。ここ数年で大転換を起こしており、特にコロナ禍で顕在化したように感じます。実際、日本人の賃金はずっと上がっておらず、一方でどんどん物価が上がっている。直近では円安もありますが決して今だけの問題ではなく、グローバルで見たときに日本の提供価値が上がっていないことが原因であることは明白です。これからの未来を考えると、今働いている人が「この状況を変えなければ」と覚悟をもって、新しい知識・キャリアを獲得しなければならないという、かなり切羽詰まった状況だと思っています。

[1] 参考:「プロティアン・キャリアとは」(プロティアン・キャリア協会ホームページより)

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キャリアのトランスフォーメーションは、人事部門が牽引すべし

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この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

メディア部門 メディア編集部 EnterpriseZine編集を担当

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