満を持しての「DT ダイナミクス」設立
機械部品の開発・製造・販売を行うミスミと、製造業向けシステム開発を担うCCTが合弁会社として設立させたDT ダイナミクス。業界に先駆けて機械部品のカタログ販売という形態を導入したミスミのDNAを継ぎ、開発パートナーとしてミスミのDXを支援してきたCCTとともに、両社が取り組んできたオンライン機械部品調達サービス「meviy(メビー)」の提供価値を加速させていくという。
ミスミは、3,000万点超という世界最大級の品揃えを誇り、“製造業のアマゾン”とも称されるほど、モノづくり業界では知らぬ人のいない存在だ。材質やサイズなど細かな仕様にも対応し、扱う製品のバリエーションは800垓(垓=1兆の1億倍)にも及ぶ。基本的には受注生産式で、注文を受けてから加工し、最短で当日出荷という高度な製造・サプライチェーンをグローバルで実現させており、世界に33万社もの顧客を擁する。
そしてCCTは、2009年創業以来、製造業や建設業のシステム開発を得意としてきた企業であり、近年では独自のメソッドに基づくコンサルテーションから、IoT/AIソリューション「Orizuru」などを活用したシステム開発、その後の内製化支援まで一気通貫で手掛け、「DXリーディングカンパニー」を標榜する。ミスミとは「meviy」の開発を通じて信頼関係を深め、まさに満を持しての合弁会社設立となる。
「モノづくり企業にとってインフラ的な役割を担うミスミと、3D形状処理技術などを用いたシステム開発でDXを支援するCCTが、それぞれの強みを持ち寄り合い、meviyのサービス価値を高めることを通じて社会に貢献したいと考えている。その名に『D:Day+T:Temple=日+寺=時』と冠しているように、『テクノロジーで時間の価値を生むこと』を最大の目的としている」と同社 代表取締役会長の吉田光伸氏は力強く語る。
製造業で最も忌み嫌うのが「ダウンタイム(DT)=付加価値のない時間」であり、それをテクノロジーで取り除く「原動力=ダイナミクス」になろうという想いも社名に込めているという。「顧客の時間価値」を高める手段としては、さまざまな可能性を想定しているが、当面はCCTの開発支援のもと、ミスミが2016年より提供してきた「meviy」の価値を高めることに注力する予定だ。