最新プロセッサーはメモリー暗号化機能を搭載
第3世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、1つのCPUで最大40コア、ハイパースレッドで80vCPUが使える。第2世代よりも拡張されたメモリーインターフェイスを持ち、データベースなどのメモリーに特化したアプリケーション処理の高速化も図られている。さらに前述の暗号化、復合化処理のアクセラレーター機能があり、加えてインテル ソフトウェア・ガード・エクステンションズでは、メモリー内に存在する特定アプリケーションのコードとデータを隔離するハードウェア支援型メモリー暗号化機能もある。
これで「仮にOSがハッキングされても、ユーザーのアプリケーションとデータを守れます」と松田氏。これらプロセッサーに搭載されたセキュリティ機能は、Web系サービスのシステムインフラのような秘匿データを取り扱う処理に有効なソリューションとなっている。
エネルギー消費の削減でサスティナビリティに貢献
「最新プロセッサーを使ったインスタンスの利用だけでもメリットをもたらしますが、さらにユーザーのワークロードごとに最適化技術を適用し、全体最適化を図ることが重要です」と松田氏。それによりトータルでのコスト削減、エネルギー消費を削減するサステナビリティへの貢献ができると言う。
さらに、ビット操作を効率化する「インテル アドバンスト・ベクトル・エクステンション 512(AVX-512)機能」を使うことで、圧縮操作などが加速化する。たとえばクラウド上でよく使われる「Apache Kafka」などのメッセージングサービスにおいてメッセージを圧縮できるため、単位時間あたりのスループットが向上。IPC(Instructions Per Cycle:クロック当たりの命令実行数)も、第2世代より20%向上しているという。これらの機能や性能の向上で、たとえばAWSは、前世代の「EC2 C5 インスタンス」に比べて第3世代の「EC2 C6i インスタンス」ではプライスパフォーマンスが15%向上する。これも、AWSのサイトに明記されている[2]。
また、ソフトウェアの最適化の例として松田氏は、Apache Sparkベースのデータ活用プラットフォームの「Databricks」を挙げた。超高速検索エンジンPhotonを、DatabricksとインテルのエンジニアがAVX-512を用いて開発。これを使うことで最大で3倍の価格性能、6.7倍の性能向上が図られている。これらは、Azure上で実際に検証した結果だ。
[2] 「Amazon EC2 C6i インスタンスのご紹介」(AWS)