既存領域の強みを土台に新規領域の成長を目指す
冒頭、ホィッテン氏は、直近の好調な業績をアピールした。同社の2023年度第2四半期(2022年5月~7月)における売上高は前年同期比9%増の264億ドルで、第2四半期のなかでは過去最高を記録した。さらに2023年度上半期の業績は売上高が525億ドルで、前年同期比12%の成長、営業利益は同比41%増の28億2000万ドルだった。
好調の要因についてホィッテン氏は、「DXを推進する企業にとって、デルが最適なパートナーであると認められている証左」だとしたうえで、「今後も既存領域の足場を固め、新規領域に対して積極的に取り組む」と、その事業戦略を説明した。
既存領域とはPC、コンピュートおよびネットワーキング、ストレージ事業を指す。ホィッテン氏は「全世界における(同領域の)市場規模は約7200億ドルで、われわれの直近一年間の売上規模は1050億ドルだ。デルはすべてのセグメントにおいてリーダーだと自負しているが、まだ成長の余地がある」と、同市場でさらにシェアを獲得していく意欲を見せる。
世界的な半導体不足の影響については「他社と同様に一部の領域で影響はある」としたものの、「デルは多くのサプライチェーンでサプライヤーと深い関係性を維持している。われわれの調達チームはあらゆるチャネルを介して半導体を入手し、提供できる体制を整えている」と自信を見せる。2022年10月時点ではサーバでは多少の課題があるものの、PCでは(コロナ禍以前の)通常の供給体制に回復したという。
一方、新規領域として挙げるのが、エッジコンピューティング(以下、エッジ)、テレコム、マルチクラウド、データ管理、セキュリティ、AI(人工知能)/ML(機械学習)だ。これらの領域は「既存領域の優位性を活かしながらビジネスを拡大していく」としている。