“IT先進国”韓国の「サイレント・ウォー」から紐解く、データが価値となる時代のセキュリティ対策とは
ペンタセキュリティシステムズが語る、デジタル社会で求められるマインドセット

クラウドやAI、IoTなどの技術により、データを蓄積・活用したり、情報を共有したりすることで価値が生まれるデジタル社会が幕を開けつつある。では、サイバーセキュリティはどうあるべきか。ペンタセキュリティシステムズは、「データの暗号化」が1つの解とみる。2023年3月14日に開催された「Security Online Day 2023 春の陣」で、同社の日本法人代表取締役社長 陳貞喜氏が、いち早くデジタル政府を推進した韓国の事例から、日本企業がとるべきアプローチを提示した。
デジタル社会化する日本、変化するセキュリティの考え方
ペンタセキュリティシステムズは、1997年に韓国の浦項工科大学校(POSTECH:Pohang University of Science and Technology)で暗号技術を専攻していた大学院生6人が立ち上げたセキュリティ企業。「Secure First, Then Connect(セキュリティからはじまる。そしてつなぐ。)」をビジョンとして124件の特許、61件の認証を保有している(講演時点)。
同社の事業領域は、Webセキュリティ、データ暗号化など企業向けの情報セキュリティ、コネクテッドカーなどのIoTセキュリティ、ブロックチェーンの3種で、各領域でR&D組織をもつ。また、全世界に6,000社以上の顧客を持ち、世界95ヵ国70万以上のWebサイトを保護するなど「DXのためのグローバル専門家グループ」と陳氏は紹介する。
講演の冒頭、日本社会におけるデジタル化の潮流について分析し、重要な動きとして「マイナンバー制度」「デジタル庁」「GIF公開」の3つが挙げられた。
マイナンバーについては、「2023年3月5日時点で、マイナンバーカードの有効申請受付数は人口の75.1%に到達しており、デジタル社会のベースができつつある」と陳氏。そうした動きをリードするデジタル庁についても、国や地方行政のIT導入やDXの推進という点において「継続性と持続性のある施策を推進できる組織」だと評価する。また、GIFとは、同庁が公開する『政府相互運用性フレームワーク(Government Interoperability Framework)』を指す。このGIFが公開されたインパクトについて、「データを使いこなすための基盤が整備された」と語った。

この重要な3つの動きに触れながら「デジタル社会では、『データ』が鍵となっている」と陳氏。社会が変われば、新たなセキュリティ対策が必要となる。これまでのセキュリティは、機密性を重視していた。情報共有が狭い範囲で行われていたために、ネットワークを閉じることで安全性を担保するような考え方である。一方、今の日本が置かれているデジタル社会は、インターネットを基盤としてビジネスが成立する「オープンソサエティ」だ。ビジネスの価値は、“相互接続性”と“相互価値共有”により生まれている。
では、デジタル社会のセキュリティをどのように考えるべきなのか。いち早くデジタル政府を推進し、コロナ禍でのITを活用した取り組みが注目を集めた韓国の事例から見てみよう。
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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:ペンタセキュリティシステムズ株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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