4月21日、アクセンチュアは「アクセンチュア・アドバンスト・テクノロジーセンター福岡(ATC福岡)」開設を発表した。
ATC福岡は、同社の成長戦略における九州・関西圏での事業拡大を担うものとなる。既に設置されているアクセンチュア・インテリジェントオペレーションセンター福岡(AIO福岡)との両軸で、先端サービス拠点として“人間とマシンの協働”を実践、発展させていくという。同社執行役員 西日本エリア統括責任者 伊佐治光男氏は、「福岡の優秀かつ豊富な人材を採用していき、福岡に居住しながらもグローバル人材の育成を目指していく。また、九州を代表するお客様と協同することで経済の持続的発展も支援していきたい」と説明する。
また、福岡市 副市長の中村英一氏は「福岡には理工系の学生、活躍しているエンジニアも多く、アクセンチュアの優秀なエンジニアとの交流で新たな好循環が生まれることを期待する。テクノロジーセンターの開設は、これを具現化するものであり、九州のみならず日本全体に経済効果、社会的なインパクトをもたらすことは想像に難くない」と地域経済発展に寄与する動きだとして謝辞を述べた。
アクセンチュアでは、前述した人間とマシンの協働に向けて、単なるBPOサービスに留まらない「インテリジェント・オペレーションサービス」を提供しており、テクノロジーを活かした自動化による業務改革を進めているという。
同社常務執行役員 オペレーションズ コンサルティング本部 統括本部長 戸野本時直氏は、「国内回帰の動きが進んでいる中で、日本のお客様により良いサービスを提供するための牽引役として、福岡を主要拠点としていく」と語る。AIO福岡では、2019年1月設立以来、首都圏を中心に業務を受託しながら4年強で約900名規模まで成長しているという。具体的な業務として、手書きの契約書へのAI-OCR活用、デジタルチャットを用いたコンタクトセンターの改革などを挙げると「ツールを導入するだけでなく数年単位で取り組みを進めていき、最終的な『ヒトとAIの協動』に向けてATC福岡と連携して推進していく」と同社オペレーションズ コンサルティング本部 アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡 センター長 マネジング・ディレクター 池永高志氏は述べた。
さらに、同社常務執行役員 テクノロジー コンサルティング本部 統括本部長 土居高廣氏は、「アクセンチュアはコンサルティング会社というイメージが強いと思うが、テクノロジー事業が最大の事業。ITプランニングだけでなくシステム開発・運用、インフラやセキュリティ構築なども手掛けている」として、単なるDXに留まらずゼロから企業の在り方を見直すような支援を追求していくと述べる。ATC福岡の開設は、今後のニーズ、デマンドも大きいため多くのメンバーと仕事をしていき、地方拠点が下請けになるのではなく、どの場所にいてもユーザーと価値を生み出しキャリアを築いていくことを推進したいとした。
ATC福岡の統括マネジング・ディレクターを務める末次友記氏は、「福岡県出身の福岡育ちであり、多くの業界で培ってきた経験を活かしながら福岡、九州に貢献していきたい」と語り、首都圏と遜色ないキャリアを築いていけるようにするだけでなく、地元企業との積極的なコラボレーションによって社員のエンゲージメント向上にもつなげたいとした。
また、九州大学との産学連携も進めており、ESG経営を支援するソリューション「AI Powered Enterprise Value Cockpit」開発にあたっているという。同社ビジネス コンサルティング本部 AIグループ マネジング・ディレクター コーネット可奈氏は、「今後は、産学連携も拡げることで、福岡を拠点に新しい価値を生み出していきたい」として締めくくった。