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運用管理の属人化を防ぐためにすべきこととは?──要件定義から加わる意義を探る

第6回:サービスマネジメントベースの運用管理

 今回取り上げるのは「運用管理」。情報システムやサービスを利用する上で欠かせないものです。私は長年、運用管理に関わった体験から、運用管理チームも要件定義段階から意見を出していくべきと考えます。システムをリリースした後に引き継ぐだけでは、DevOpsなどの取り組みを運用面から支えるのは難しいからです。大規模なシステムであるほどその傾向は強まります。そこで、改めて運用管理とはどのようなものか、モダンアーキテクチャに対応した運用管理とはどんなものかを考えていきます。

運用管理の範囲や定義を明確に決めずにきたことが問題に

 エンタープライズサービスにおける運用管理とは、どのように定義されているのでしょうか?

 まず、基本となるITサービスマネージメントの定義から考えてみます。情報処理推進機構(IPA)では「ITサービスマネージャ」を「高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供および改善のための組織の活動および資源を、指揮し、管理する者」と定義しています。組織の活動が滞ることがないよう、トラブルが起きないよう資源を管理していく役割です。

 ポイントとなるのは「ITサービスの要求事項」。これが明確に定まっていれば、それを軸として運用保守業務を組み立てることができます。しかし、ITサービスの要求事項が明確に定められていない状態だと、ユーザー部門からはITシステムのあらゆる品質を満たし維持するよう要求され、運用保守部門の負荷は大きくなる一方です。その結果、予定よりもコストがかさんだり、運用保守担当者が疲弊したりといった事態が起こります。

 残念なことに、日本企業は運用保守部門や運用保守業者に対して多くの要求事項を求めがちです。たとえば、「稼働率99.9%」というSLA(Service Level Agreement:サービスレベル契約)が定義しているにも関わらず、月に数秒でも停止すると障害として問題が発生したとされ、原因追及や再発防止が求められるケースもあります。

画像を説明するテキストなくても可

 エンドユーザー視点では、ITサービスやITシステムは「使えて当たり前」ということになるのでしょう。何らかのアップデートやバージョンアップがあっても、以前と同じ機能を有していることは当然、バージョンアップ後にレスポンスが悪くなればクレームを入れる人も多いはずです。

 これが運用者視点では、まったく別のストーリーとなります。たとえば、サービス要求事項はあったものの、運用側の善意で提供してきた運用サポートサービスが多数あり、運用担当者の業務負荷が異常に高くなっていました。そこでアップデートやバージョンアップの際に、本来定められた範疇のみのサポートをしたいと要求しても、なかなか聞き入れられません。これは私が経験してきたことです。

 また、運用保守を担当してきた側は、「この仕様では情報システムとしては問題が多い」と感じてもなかなか言い出しにくいという実情もあります。もっと良いものに変更できると思っても、運用担当者から見直しを進めることは難しいのが実情。システムにトラブルが起きないよう運用管理することが役割であり、仕様の見直しを提言する立場にはないと諦めてしまう人も多いですし、仮に提言をしようとしても、日々の業務に忙しいといったことも、運用保守部門ではよくある話だと思います。

次のページ
要件定義から運用管理も関わるべし

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この記事の著者

倉浪 晃一(クラナミ コウイチ)

キンドリルジャパン株式会社 クライアントテクノロジー戦略部門チーフアーキテクト。2019年日本アイ・ビー・エム株式会社に入社(中途)。前職ではクラウドサービスの開発・運用に従事。2021年、分社化によりキンドリルジャパン株式会社へ移籍。公共および金融系のお客様向けのアーキテクトとして、RFI/RFP...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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