Suitenessの利点は「AIの利点を超える」こと
基調講演のステージでワイズシンガー氏は、「ユーザー・エクスペリエンスは、過去25年間の長い道のりを歩んできたNetSuiteにおいて、最も基本となる領域です。ビジネスアプリケーションがWebから使えなかった時代に、NetSuiteのユーザー・インターフェイスは画期的なものでした。NetSuiteは25年間に亘りクラウド上でのユーザー・エクスペリエンスで革新を続けており、その勢いは今も衰えていません」と言い、NetSuiteのユーザー・インターフェイスの進化の取り組みに自信を見せる。
NetSuiteのユーザー・インターフェイスのデザイン原則は、より少ない行動でより多くのことを実現することだ。それによりアプリケーションを使う業務を行う際に、人々が細部の処理のために時間を費やすのではなく、判断や専門知識を生かすことに集中できるようにする。キー入力やマウスのクリックをゼロにはできない。しかし、それらをなるべく削減できるように努力している。そのためにさまざまなユーザーが実際に利用するのと同じ画面を想定し、ユーザーが洞察を得られるようにする。ベストプラクティスを学ぶことで、仕事をやりやすく、より簡単にする方法を導き出すと説明する。
たとえばレストランやリゾート施設などの予約をするコンシューマ向けサイトでは、ユーザーが何らか入力する前にニーズを先取りして選ぶべき候補を提示してくれる。それらと同じようなことを、ビジネスアプリケーションでも実現する。その際に利用するユーザーに合わせ、推奨するものは最適化される。そのようにユーザーごとにユーザー・インターフェイスがカスタマイズされることで、アプリケーションは特別なものになる。
「ユーザーはシステムを理解するために努力する必要はありません。そのようなアプリケーションが提供されるべきなのです」とワイズシンガー氏。業務に使うアプリケーションの使い方を理解することは、人々の仕事ではない。そのようなデザインコンセプトの許で、NetSuiteのエクスペリエンスが進化を続けていることとなる。
今後NetSuiteが注力するもう1つがAIだ。NetSuiteにとってAIは、既に長い間活用している技術でもある。これまではNetSuiteの一部の機能でAI、機械学習の技術を用い予測などを行ってきた。今後はNetSuiteのあらゆるところに、AI技術を取り込んでいくことを改めて表明する。「ユーザーが最善の決定を下し、それをより速く行えるようにするためにAIを活用します。計画中のものも含めAIを使う80の異なる機能やソリューションがあります」とワイズシンガー氏は言う。
AIのブームは今や最高点に達しており、誰もがAIをどう使うかの話をしている。どのテクノロジーベンダーも、自社のAIの取り組みについて説明している。そのような状況の中でAIをより強力なものにできるのがNetSuiteだとワイズシンガー氏は言う。なぜかと言えば、3つ目の注力ポイントであるSuitenessがあるからだ。Suitenessの利点は、AIの利点を超えると言う。