セガサミーホールディングスは、社内情報を参照可能な生成AIの実行環境(検索拡張生成機能:以下、IntraSearchモード)を新たに開発し、2023年10月24日よりグループ会社15社6,000名を超える従業員に展開した。
IntraSearchモードは、同年5月に展開したMicrosoft Teams上で利用できるAIチャットボットの機能(ChatGPTモード)を拡張したもの。検索精度を高め、業務の効率化を推進するため以下の対応を実施したという。
- 社内情報を収集するクローラーの自社開発:数千ページのWebコンテンツ、膨大なファイル情報を収集、インデックス化して検索を実現
- GPT-4/Embeddingによる要約:日々更新される社内情報をGPT-4/Embeddingで要約。情報をベクトル化することで検索精度を向上
- セマンティック検索の導入:ある単語が文書内でどのような文脈において用いられているかを考慮するセマンティック検索を使用
- 生成プロンプトの研究:事実とは異なる内容や、文脈と無関係な内容をAIが創造してしまうハルシネーション現象を減少させる生成プロンプトの研究などを実施。その結果、25%程度あった誤答率を2%以下まで低減することに成功
同社は、今回開発した実行環境の一部をパッケージ化し、2024年1月以降に知的財産部門に展開するとしている。数万ファイルを超える知的財産の関連文書から特定のIP分野に関する情報を生成AIで抽出し、新しい技術や市場動向の予測、グローバルでの知的財産の活用やIP戦略に貢献するとのことだ。
【関連記事】
・NTTデータ先端技術、「Hinemos」において生成AI活用による運用自動化・効率化を検証へ
・日本マイクロソフト、生成AIの直近のアップデート公開──「著作権問題が生じたらMSが責任を持って対応」
・NEC、相模原市と協業し生成AI活用に向けた活用検証へ 自治体業務に特化したLLMモデル構築目指す