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迫りくるパンデミックをどう乗り越えるか~日本ノーベル、ATENジャパン共同セミナーを開催


日本ノーベル株式会社とATENジャパンは29日、ユーザ企業向けソリューションセミナーを開催した。

 日本ノーベル株式会社とATENジャパン株式会社は29日、ユーザ企業向けソリューションセミナーを開催した。

 当日催された3つの講演のうち、トップバッターを務めたのは日本ノーベル株式会社の中村秀光氏。「改正『労働法基準法』のポイント」と題して講演を行った。

日本ノーベル株式会社
モバイルテクノロジー・ソリューション本部
システム開発グループシニアSE
中村秀光氏
モバイルテクノロジー・ソリューション本部システム開発グループシニアSE中村秀光氏

 平成22年4月1日から施行される改正「労働基準法」で変更されるポイントは大きく3つある。「法定割増賃金率の引き上げ」「時間外労働の限度に関する基準の見直し」「年次有給休暇の時間単位取得」、これらは、政府が「残業時間の削減」を明確な方針として打ち出していることに他ならないと中村氏は分析する。

 では、どのように対応していくべきか。方法は2つある。ひとつは、ノー残業デーや効率重視の呼びかけなど「意識から変えていく方法」。もうひとつは、残業申請など手続きの厳格化や人事評価基準の見直しなど「制度から変えていく方法」だ。

 このうち、もっとも効率的だと同氏が訴えるのが手続きの厳格化による方法だ。同社の提供するActViewのワークフロー機能では、携帯での利用をベースとしているため、いつでもどこからでも申請手続きが可能。業務効率を妨げることなく、新たなルールを導入することができるわけだ。

 実際に、同社でもワークフローによる残業申請を義務付けている。「運用を始めて3ヶ月になるが深夜残業時間数は徐々に減少している。ワークフローによる申請を繰り返すことによって、残業に対する意識を改革できる」とその効用について説明した。

 続いて、同じく日本ノーベルの植松美智代氏が登壇し、「インフルエンザパンデミックから考えるBCP(事業継続計画)」と題して講演を行った。

日本ノーベル株式会社
モバイルテクノロジー・ソリューション本部営業
テレワークセンターマネージャー
植松美智代氏
モバイルテクノロジー・ソリューション本部営業テレワークセンターマネージャー植松美智代氏

 最近では、すっかりおなじみとなった新型インフルエンザのパンデミック。「最近の情報によれば、全世界の死者数は3,000人に上っている。日本では、患者数は27万人、死者も20人弱と世界的な水準と比べれば軽微だ。まだまだ上り坂にあるのでは」と植松氏は注意を喚起する。

 大都市を中心に教育機関では休校や学級閉鎖などが相次いでいる。これから冬にむかって被害は拡大すると見られており、リスク回避という観点から企業でも対策が必要な時期にきている。一方で、各種の報道によれば、インフルエンザなどに対する対策を講じている企業は全体の40%前後にとどまるという。

 「空振りは許せるが見逃しは許されないとも言われるように、企業にとって重要なのは最悪の事態を想定すること。人命保護の観点から感染予防対策、ビジネス保護の観点からBCP(事業継続計画)をバランスよく進めていくことが必要になる」と植松氏は述べる。

 企業におけるパンデミックリスクへの対策は多々あるが、社員の健康管理も重要な要素のひとつになるだろう。「モバイルによる出退勤管理を行うActViewでは、オプションとしてアンケート機能も用意している。誰もが気軽に利用できる携帯電話を使えば、従業員の健康管理やインフルエンザの早期発見を効果的に行える。ぜひ企業の感染症対策、事業継続計画にお役立ていただきたい」と締めくくった。

 最後に登壇したのがATENジャパンの栗田氏。「今からでも遅くないパンデミック対策」と題して、デジタルKVM製品を使った在宅勤務環境の構築方法について解説した。

ATENジャパン株式会社
営業推進部 部長代理
栗田正人氏
ATENジャパン株式会社営業推進部部長代理栗田正人氏

 「調査会社の報告によれば、企業のシステムに対するリスクとして一般的なシステム障害や自然災害などに加えてパンデミックに関するリスクを意識するようになってきている」と切り出した栗田氏。

 システムという観点に絞っても、企業はこれまでさまざまなリスク回避策を講じてきた。IT障害リスクに対してはシステム管理者による監視・メンテナンス、自然災害については、遠隔地バックアップといった具合だ。では、パンデミックリスクにはどのように対策するべきか。

 自然災害と大きく異なるのは、ある程度事前予測できるというところだろう。現時点ですでに流行の兆しは見られるものの、今からでも迅速に対応すれば遅すぎることはない点が特徴的だ。さらに、ネットワークや電源などのライフラインへの物理的なダメージはないことや、季節性を伴ったものであることも見逃せない。

 このような点を総合すると「被害を最小限にとどめて嵐が過ぎ去るのを待つ」のが効率的な対応策だと言えそうだ。栗田氏は「各企業のおかれた状況によって答えは違ってくるため、BCPの正答はない」と前置きしつつも、「人との接触距離を保つという点から、自宅待機、テレワーク、IT機器のリモートメンテナンスなどの対策が有効になる」と指摘する。

 では、具体的にどのようにテレワークを実現するか。ひとつの選択肢として栗田氏が提案するのが同社の「Over the Net」シリーズのリモートアクセス用ユニット「KVM on the NET CN8000」。一組のキーボード、マウス、ディスプレイを使って複数のマシンを操作するデジタルKVMスイッチをベースとした同製品を使えば、自宅からインターネット経由で職場のパソコンを遠隔操作することができるようになる。シンクライアントなどの製品と違って、職場のパソコンに小型の機器を接続するだけで、即日使えるようになるのが大きな特徴だ。

 「パンデミックのようなリスクへの対策は数ヶ月後に完了すれば良い類のものではなく、明日、明後日には使いたいもの。その点で、デジタルKVMは箱をひとつネットワークにはさむだけで自宅から会社のパソコンをすぐに操作できる」という栗田氏の提案に、会場からは質問が寄せられる一幕もあり、同製品に対する参加者の関心がうかがえた。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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