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2024年の「生成AI」活用の成否は“検索”にあり キーワードは検索エンジン×生成AI

Elastic製品責任者 マット・ライリー氏に訊ねる

「検索×生成AI」はどう活かす? 日米の先進事例から探る

──実際にユーザーが成果を出している事例を聞かせてください。

ライリー:いろいろな分野で使っていただけますが、特に目立つのはカスタマーサポートセンターでの利用です。カスタマーサポート向けのアプリケーションを開発する際にElasticsearchを使うことで、コスト削減や問い合わせの早期解決につなげている企業は増えていますね。生成AIと検索エンジンを連携させることで、チャットボットでは難しい文脈にも正確な回答を返せるようになるなど、確実に成果を生み出しています。

 また、社内ドキュメントを従業員が検索する際にも役立っています。社内に散在しているデータを横断的に検索できる、Elasticsearchをベースとした「Elastic Enterprise Search(旧:Elastic Workplace Search)」にESREを用いることで、以前よりも的確な回答を導き出せるようになりました。

古久保:日本でも米国同様にカスタマーサポートと社内ドキュメント検索において、成果を上げはじめています。「日本は技術の導入が遅れている」とよく言われますが、生成AIにおいては該当しません。強いて一歩遅れている理由を挙げるとするならば、日本語特有の“検索の難しさ”でしょう。欧米の言語はスペースで単語が区切られていますが、日本語には区切りがないなど、日本ならではの事情もあります。

Elasticsearch プリンシパルソリューションアーキテクト 古久保武雄氏
Elasticsearch プリンシパルソリューションアーキテクト 古久保武雄氏

 他にも「いろいろ試したけれど、Elasticsearchがよかった」という声をよく耳にします。フリーのベクトル検索を試したものの検索精度が出ず、Elasticsearchのハイブリッド検索を使ってみたら精度が高まっただけでなく、アクセス権限でフィルタリングまでできることを知って感激する方もいらっしゃいましたね。

──では、実際にElasticsearchを活用する上でコツがあれば教えてください。

ライリー:検索においては「関連性(relevance)」がとても重要です。どれだけ正確なコンテキストを入力しても、関連性が低ければ出力される回答の質も悪くなるでしょう。これは、ベクトル検索だけでなく、ESREのようなセマンティック検索やハイブリッド検索でも変わりません。

 また、エンジニアが何か特別な技術やコツを習得する必要はありませんが、“新しい技術に慣れ親しむこと”は欠かせないと思います。たとえば、組み込み型の学習モデルが多く登場している中、いかに適切なモデルを選択できるか、スケールアウトさせられるかは重要でしょう。

古久保:もし、生成AIとElasticsearchをどう活用していくべきか悩んでいる場合は、個別のワークショップなどで積極的なサポートも行っています。

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──最後に読者にメッセージをいただけますか。

古久保:やはり、生成AIの活用において社内ドキュメントの検索はホットトピックと言えるでしょう。このとき検索精度が最も重要になりますが、まだノウハウが十分でない方もいるかと思います。そうしたとき、Elasticsearchを一度使っていただきたいですね。

ライリー:今まさに世界中の企業が生成AIを事業に活かす方法を模索しています。そして、確実に言えるのは、新しい技術を使いこなしている企業だけが1年後に成功を収めているということ。その上で、生成AIを活用するためにツールを導入するならば、データプライバシーやエンタープライズ規模に耐え得るスケーラビリティを備えているのかなど、今後必要となる機能がすべて盛り込まれているのかを考慮することが重要です。

 我々は常に様々な選択肢を提供できるように開発を続けていますので、Elasticsearchを検討していただけると嬉しいですね。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Elasticsearch KK

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